長い出張が終わり、広州から上海に直行で帰るところだが、北京の顧客の案件で再度北京へ舞い戻ることになった。
9月1日(水)、13時30分広州発、中国国際航空1322便で北京へ向かう。直前になって、航空会社から使用機材の変更で、私が予約していたビジネスクラスがなくなり、ファーストクラスへ無料アップグレードとの知らせを受ける。どうでもいいから、とにかく早く目的地に着きたい。
13時、搭乗開始。しかし、搭乗してみると、「航空管制」で1時間半の遅れとのアナウンス。あれあれ、いつもの「流量管制」ではなく、「航空管制」に切り替えたのではないか。
「流量管制」よりも、「航空管制」の方がより広範囲に渡る意味が含まれ、さまざまな解釈ができる。いずれにせよ、「遅延」という結果は変わらない。
私とほぼ同じ時間、午後14時40分に広州を出発するはずの社員が、日付が変わって9月2日0時現在でもなお上海に到着しておらず、なんと、嵐の影響で安徽省の合肥空港にいるという(大幅遅延して広州を出発した飛行機は結局、上海に着かず、安徽省・合肥に着陸し、再出発の目途が立っていない)。一方、上海では台風がすでに静まったにもかかわらず、このような状況になっている。
航空オペレーションをはじめとする中国の業務運営の効率があまりにも低すぎる。そのうえ、危機対応能力が著しく欠如している。
空港や鉄道、高速道路といったインフラをいくら建設しても、運営システムの効率化をなくして、ハードフェアはただの粗大ゴミとなる。
一国の台頭は、高層ビルや高速道路だけではない。中国メディア自身も最近盛んに言っている「軟実力」、いわゆる「ソフトパワー」である。しかし、中国のソフトパワーは、まだまだパワーになっていない。
経済成長だけを求める発展スタイルはいずれ行き止まりにぶち当たる。ソフトパワーが付かない限り、大国であっても、強国にはなりえない。世界に尊敬される国になるために乗り越えなければならない山はたくさんある。