昇給

 日経ビジネスの(中国地区)賃金調査アンケートに回答して、送り返した。

 「昇給」や「昇給率」といった言葉がアンケートのあちこちに出現していて、やたらと目に付く。日本国内の雇用慣習なのかもしれないが、中国では労働法上の問題もあり、従業員への告知は誤認を招くようなことはなるべく避けたい。

 「昇給」Onlyの賃金制度を提示していいかどうかの問題だ。結果ありきの制度は結果的に硬直化することが多い。

 私がコンサル中の顧客企業では、「昇給」という言葉は基本的に使わない。「調整」という中性の言葉を使っている。「アップダウンあり」の賃金制度である。賃金には、基本的生活保障の部分もあれば、業績評価の部分もある。たとえ、CPIなどの上昇に連動して基本的部分が上昇基調であっても、業績評価は未知数であろう。全従業員に対し、「昇給」の確約はいかがなものか。

 毎年、前年度の業績ベースで賃金引き上げ改定を行うのが、戦後高度成長期の名残で、必ずしも今の環境に適しているとはいえない。

 1年の成果は、年末で評価した時点で、ゼロベースにリセットされ、歴史となる。新年度はゼロからの出発だ。

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