マレーシア移住(8)~不動産仲介業者のカモにされないために

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 不動産仲介業者との正しい付き合い方とは?一言でいうと、まず自分でしっかり勉強したうえで付き合うことだ。

 何も不動産仲介業者だけではない。移住仲介業者も他業者も同じだ。ビジネスが絡んでいる以上、商品の素晴らしさが集中的にクローズアップされても、逆に問題点はあまり語られない。仲介業者は長年現地の経験とノウハウを持っていることは間違いない。だが、その情報を100%教えてくれない。そこで情報の非対称性が発生する。

 情報の非対称性とは、市場取引における取引の当事者同士が保有する情報が不均衡であることを指す。片方(通常買い手)は、商品の品質などに関する情報が比較的に少なく、相手方(通常売り手)はこの手の情報を全面的に把握している状態を指す。たとえば、中古車市場などがその代表格である。中古車の売り手が中古車の欠陥(事故歴など)をなかなか買い手に開示しようとしない。

 海外不動産なら、「一等地の高級物件」と宣伝される場合が多い。そこで、投資者としは、次のような問題を提起する必要があろう――。

 「一等地」「高級」の定義とは?これらと物件の収益性との関係は?物件購入後の借り手や買い手はどんなターゲット層であるか?ターゲット層のボリュームは十分か?入居率は?将来の見通しは?物件における供給と需要の関係は?同様物件(ライバル)との競合は?インカムゲインにおける利回りは?物件メンテナンスコストは?売却益はどのくらい見込まれるか?不動産収益に対する税金やキャピタルゲイン税は?収益の海外送金に規制はあるか?…などなど。

 言っておくが、これらの質問をストレートに不動産業者に提起するのをやめよう。厄介な客は嫌われ、追い出されるのがオチだから。たとえ受け付けたとしても、きちんと正しい情報を教えてくれるかどうか定かではない。どうすればいいかというか、自分でひそかに勉強することだ。もしろん、第三者専門家にお金を出してアドバイスしてもらうのもいい。

 情報はタダではない。自己勉強第三者専門家助言か、どちらもコストがかかる。繰り返すが、仲介業者は専門家ではあるが、第三者ではない。利害関係の絡んだ当事者である。

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