マレーシア移住(25)~中国脱出、移住を繰り上げて実行

<前回>

 2012年末、2~3年後に予定していたマレーシア移住は、1年後の2013年末に繰り上げて実行することに決めた。

 「チャイナ・プラス・ワン」は何も大手企業だけではない。当社のような零細企業もある意味でカントリーリスクとにらめっこしながら、できる限りの手を打つ必要がある。

 当初は、イポーで新築住居を建設する計画だったが、1年半から2年の工期が長く、待っていられない。とりあえずクアラルンプールで賃貸を借りて住まいを構えようと計画を変更した。いきなり田園地帯のイポーに住むよりも、1年~2年まずクアラルンプールの状況を把握し、人脈やビジネスリソースを確保しておいたほうがメリットが大きいと、そう判断した。また、中国やASEAN諸国への頻繁な出張もあって、イポーはクアラルンプール空港から遠すぎる。

 さらにマレーシア移住計画の前倒しに至る経緯といえば、1つ、エア・アジアの上海・クアラルンプール便の開通。安い運賃はもちろんのこと、夕方から深夜にかけてのフライトは、ビジネスに都合がよく魅力的だ。もう1つの大きな原因は、当時中国国内の反日騒動だった。中長期的にも日中ビジネスにプラス要因が見当たらないからだ。

 2014年から、毎月の半分は中国、残りはマレーシア、ASEAN諸国という予定を立てた。2012年末、愛犬2匹の出国手続き(結構煩雑だ)も着手。何より13年も続いた上海生活に終止符を打つには、心の準備が必要だった。翌年は40代最後の年にあたり、新たな人生の舞台を求めて、旅立つという決心が固まった。

<次回>

タグ: