マレーシア移住(24)~啓蒙教育と支援、「移住の会」はこうして誕生した

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 「立花さんのマレーシア移住、その経験談がとても面白い、それをセミナーにしたら」と周りから言われた。

 中国の上海に12年以上も住んで、事業も安定成長したところで、突然のマレーシア移住は、多くの人を驚かせた。顧客企業の日本人経営幹部を含めて、マレーシア移住に興味を持った人が続出。だったら、一層のことセミナーでもやって情報共有しようではないかと、私のマレーシア移住の背景や経緯を説明し、移住とは何かを語るセミナーを開催することになった。

 中国ビジネスに関係のないマレーシア移住テーマ、しかも上海開催であるから、せいぜい10名程度という小規模の勉強会ではないかと考えていたが、なんとアナウンスしたら、申し込みが殺到。

2012年11月3日-立花聡のマレーシア移住セミナー

 2012年11月3日、「日本脱出!立花聡のマレーシア移住実話で語る裕福な定年生活設計セミナー」が上海で開催。40名を超える参加者で会場は超満員。なかに遥々と地方都市から飛行機でやってくる人もいた。いつもの企業向けの堅い法律や経営専門セミナーと違って、土曜の昼下がり、軽く語ってそのあとは飲み会というオフモードの設定だったが、どうも状況が違っていた。

 決して軽いテーマではない。結構重たい。気がついたら、パワーポイント資料が100枚を超えていた。当日は半日(4時間)という長丁場で満場の聴衆に語りかけた。、

 セミナー後の懇親会でいろんな声を拾い上げ、アンケートの一枚一枚を丁寧に読んでみると、切実なニーズを感じた――。「いままでの会社員生活の忙しさに目を奪われ、老後のことを真剣に考えてこなかった」「日本のお国の事情がここまで悪化していたことは、直面できなかった」…。さらに、「立花さん、是非このような啓蒙教育を広げてください」という期待や激励もいただいた。

 日本に破たんのXデーがあるかないか、意見はいろいろある。私は占い師でなく、コンサルタントだから、Xデーの有無を予測するのではなく、Xデーに備えてどのようにサバイバルするかを提案するのが仕事だ。私は顧客企業にコンサルを提供するが、自分や家族に対しても同じ要領で、コンサル的な思考回路に沿って問題解決や意思決定に取り組むのである。

 そのセミナーはまさに、問題抽出・問題解決のプロセスを開示するものだった。自分の背景、動機付けから、情報の収集・分析、意思決定、そして実施までの過程を、「My Malaysia Story」として参加者に語りかけ、さらに現地の情報に関しても、ポジティブとネガティブの両面を提示した。

 予想を超える大きな反響だった。何らかの形でこのような啓蒙教育と情報を継続的に提供し、できれば支援体制の整備も取り組みたいと、私はそのときから課題として真剣に考え始めた。

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