秘境リペ島(5)~人生の夕陽と粗野なタイウィスキー

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 リぺ島滞在中の夕食は、すべてシーフード。最終日は、「Nèe Papaya Thaifood & BBQ」。「Walking Street」の街側出口(海の反対側)から出てすぐの場所にある。宿泊先のアキラから歩いていくと、20分以上もかかる。蒸し暑い夕陽を浴びての散歩で汗だくになる。

 タイもマレーシアも熱帯の国だが、ただ「熱し方」が少々違う。マレーシア(マレー半島)は赤道直下だけに、そのせいかどこか海洋性というか、ものすごくハワイ的な、サラッとした乾燥した気候であるのに対して、タイはどうしも大陸的で蒸し暑く感じてしまう。

 蒸し暑いだけに、ビールがうまい。ただ私はビール党ではないので、せいぜい最初の1杯だけで、あとは他のお酒中心になる。タイの場合は、地場ウィスキーを美味しくいただいている。正直にいってシングルモルトほど洗練されたものではないし、どちらかというと、泥臭い。でも、タイらしくて、料理との相性が抜群にいい。

 シーフードなら、白ワインやシャンパンが合うとは言うが、地中海以北の料理ならそれでいいかもしれないが、東南アジア系のシーフード料理は軒並み食材系中心で、シンプルなグリルの場合、タイウィスキーのような粗野な個性がよく合う。人生も夕陽を浴び始めると、飲食を含めて、洗練された飾りが邪魔になったりする。

 もう1つ重要なことだが、カットチリ(唐辛子の輪切り)やしょっつる(魚醤)系の調味料を好む私には、アルコール度の強い蒸留酒以外に選択肢が少ない。中華系の料理だと、白酒やウィスキー、ウォッカがいい。あと、私だけかもしれないが、強い酒ほど2日酔いしない。

 ここリぺ島のレストランは基本的に、ビール以外のアルコール飲料の持ち込が自由。思うに、お酒が入れば、食べる量も増えて売り上げ増につながるはずだから、それで嫌な顔をしない理由なのかもしれない。いずれにしても、感謝。

 3泊4日のタイ秘境・リぺ島滞在。たらふく海鮮三昧、大満足だった。ご馳走様でした。明日はタイ大陸側へ渡る。

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