日本に帰れない、奇人変人のマレーシア暮らし

 週2回、スレンバンの自宅で焼鳥や焼肉、火鍋の食事をしている。愛犬たちと一緒に星空の下で伸び伸びと楽しめるからだ。

 自宅の食事では、多くの食材はを卸売業者から直接買い付けている。先日、牛タンを丸一本わずか8リンギット(約260円)で仕入れてみたら、激旨だった。

丸一本の牛タンは8リンギット

 「たまにピザが食べたいな」と呟いたら、妻が完全自家製のピザを作ってくれた。生地はもちろんのこと、ハムも自家製である。焼肉の食後に燃え続ける炭火を生かして、ハムやベーコン、スモークチーズ、スモークサーモン、燻製卵などを作ってしまうのだ。ソーセージも機械を買って自宅で製造している。加工食品の既製品は一切買わないからだ。我が家では袋入りやパック入りの食品は嫌われている。コンビニには無縁だ。

完全自家製ピザ

 住む場所も奇人変人の部類だ。日本人が集中するモントキアラやら、KLCCやら、スバンジャヤやら、バンサーやら、といった地域には絶対に住みたくない。コンドミニアムも高層・密集アレルギーで敬遠している。私が今住んでいるスレンバンという田舎町は人口37万で、在住日本人はおそらく1桁である。

 私はボランティアで「マレーシア移住の会」という一応、グループや組織みたいなものをやっているが、非常に残念なことに、私はあまり役に立っていない。最大の原因は、こうして私のマレーシア暮らしの形態は、大方、9割以上の日本人のそれと大きく異なっているからだ。有益な情報はなかなか提供できない。

 あとは、帰国しないことだ。多くの日本人は移住よりも、ロングステイで数年、長くても十数年で帰国してしまう。私は日本社会に住むとおそらく1週間以内に村八分になってしまうので、一層永遠に帰らないほうがいいと。電車に乗ると、あのシーンとした空気、いつ突然の窒息死になってもおかしくない。

 マレーシア万歳!仮面なしで暮らせる、素晴らしい国だ。

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