中国の物価が高い、コスト高よりもさらに怖いこととは?

 中国の物価が高い。

 昨年10月にマレーシアに移住してから、月1回の中国出張で一番痛感しているのが、中国の物価の高さだった。マレーシアに比べると全然高いし、ものによっては上海は東京と変わらないように感じた。

 肝心なのは内容。以前、スイス旅行に行ったときのことを思い出す。とにかくあの物価の高さには目玉が飛び出る。ただ、クオリティが高い。それについてあまり文句を言えないので、自分の貧乏さだけが問題だったことに気づき、さっさと予定を繰り上げ、物価の安いイタリアへ逃げるように、移動した。

 中国に関して、私自身の価値観では、平均的にコストパフォーマンスがそれほど良くないと思う。

 たとえば、ホテル。気が付くと、上海の5つ星ホテルでいま1泊料金の3桁台がほとんど消えた。やたら1000元、2000元・・・。とんでもない。同じ料金でクアラルンプールやバンコクで超一級のサービスが受けられるのである。飲食も全般的に高い。出張中のコストには常に意識している。

 ホテルや飲食店が勝手に値上げしているわけではない。彼たちも仕入れや人件費コストの上昇の影響を受けているからだろう。中国の競争力はコストの安さを源泉として国が発展したのだが、その後構造的な変化がみられていない。これでは相当危ない。

 私が担当している人事関連も、最近顧客企業が5年後10年後の自社賃金シミュレーションをもってきて、「これでは大変だ。企業経営が立ち行かなくなる」と悲鳴を上げている。

 私がいつも言っていることだが、コスト高は怖くない。怖いのが生産性低下である。コストが高くても、高生産性で利益維持、あるいはさらに増加できれば、なんら問題もないだろう。とくに、「労働者1人あたりの生産性」という大切な指標がある。1人あたりどれだけ利益を生み出すかを見ることだ。ここ2年、私がコンサル現場で、積極的に管理会計の導入を各社に薦めてきた。一部の顧客企業ではすでに導入を始めている。

 中国の今後の見どころはやはり、サバイバルゲームの勝ち組である。経営不振の原因を日中関係やコスト高のせいにする総経理もいるが、確かにそれが一因ではある。ただその負の要素を克服して企業経営をし、利益を出していくのが、総経理の責務ではないだろうか。万策尽きて回春の妙薬がなければ、撤退するしかない。それよりも、結末が見えたところ早いうちに撤収したほうがいい。埋没コストを切り捨ててだ。

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