日本語ネットTV潰せ、中国の規制どこが悪い?

 中国ではネット放送の日本国内TV番組が見れなくなったそうだ。それで中国の規制が悪いと文句を言う日本人がいる。まったく見当違いも甚だしい。

 いわゆる日本語TVのオンラインサービスはおそらくそのほとんどが違法だ。違法サービスを中国政府が取り締まるのはまったく正当である。

 日本は法治国家であり、著作権保護に対する法的規定も厳しい。たとえ家庭で録画した内容でも同一デバイスでの再生など様々な規制がある。それを海外に持っていってしかも営業行為として放送することは明らかに違法である。

 このような放送をたとえば中国政府が容認した場合、著作権や知財権侵害で日本やアメリカが中国をたたくだろう。では、今度中国が取り締まりに乗り出す。するとそれは言論規制だとまた批判するのがおかしい。ロジックが通らない。

 中国在住の日本人の多くが日本語TVが恋しい。日本の情報がほしいという。それは「情」である。「法・理・情」の問題、私は繰り返し指摘している。「情」からいわゆる「理」を作り出し、その「理」が「法」に反していれば、「情」も「理」もすべて否定されるのである。

 「違法サービスとは知っていますが、便利なのでついつい・・・」という人もいるだろう。だとすれば、「赤信号でも車が来ていないし、急いでいるから渡ってしまおう」という合理性も成立してしまう。法を守ることを美徳とする日本人自身が自ら二重基準を作っているのではないか。甚だしい自己矛盾だ。

 そうした「甘え」は、大変見苦しい。

 さらに、日本語TV契約を打ち切られ、金銭的損害が出たという人もいるだろう。そもそも違法サービスを自分の意思で利用する契約そのものは法律に保護されない。代金返還等を法的に請求する権利はないはずだ。このリスクを覚悟したうえでの利用では何ら文句も言えない。
 
 違法行為をベースとする利便性それ自体の存在が極めて脆弱であり、また闇的なものである。私が以前住んでいた上海の某日本人マンションも、一時期オンライン日本語TVサービスを住民に提供していたが、最終的に法的問題でサービスを中止した。それは正しい決断であった。

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コメント: 日本語ネットTV潰せ、中国の規制どこが悪い?

  1. 法律を盾に言いたい放題ですね。貴方の講演を聞きに来る人たちが全員貴方の意見に賛同しているとも思えませんが.......
    中国に長く住んでいると中国に都合の良い番組、延々と続く抗日TVドラマにうんざりです。又、中国のTV番組のレベルの低さに最近は困惑さえしています。
    私達は日本人なので偶の休みぐらいは日本語でゆっくりし度いです。

    1.  どんな理由あれ、違法サービスは違法だ。あなたが匿名を盾にしているのも、まさにその違法性の後ろめたさなのでしょう。可哀想です。お気持ちと境遇は分かりますが、がんばって休日の寂しさを凌いでください。読書でもしましょう。

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