アラブの王様が裸になる日、混迷する世の中をどう生き抜くか

 中東・アラブの産油国がついに破産、アラブの王様が裸になる。そんなことが将来ありえるのだろうか。

 原油安が止まらない。昨日のニューヨーク市場では一時1バレル30ドルを割り込んだ。このままいけば、20ドル台の常態化が現実になる。問題は底がどこかということだ。まさか10ドル台か。

 中東・アラブのリッチな産油国はいままだまだ蓄えがある。サウジアラビアやクウェート、カタール、UAE(アラブ首長国連邦)あたりは潤沢な外貨準備と政府系ファンドがあるから、お金持ちで収入が激減しても、資産を食い潰すことでしばらくは安泰だろう。北欧のノルウェーもそうだ。

 ただ問題はお金をそれほど持っていない石油純輸出国だ。ロシアやイラン、イラク、リビアといった国々。原油安による収入減を補うために原油増産をする。増産すればするほど原油相場をさらに押し下げる。市場の原理が働く。これ以上原油安が続いたらどうなるか。特にロシアの動きが気になる。

 お金持ち産油国の資産食い潰しも無制限できない。サウジアラビアは、国家公務員や準公務員に年間300億ドル以上もの高給を払っている。さらにイエメン戦争、最近はいよいよイランとも本格的に揉め始めた・・・。

 ここまでいうと中国の話が出てくる。経済低迷、年始からいきなりの元安と株安。このままいくと、外貨準備が3兆ドルを割り込むのに1年もかからないだろう。中国市場が止まれば、石油安がさらに進むだけでなく、不況という風邪の菌を世界中にばら撒くことになる。

 どうなっているのだ。世界はまさに大混乱。地球上最強の生物である人類がもう少し欲を抑えれば、世の中もずいぶん良くなるのだが・・・。そんな夢のようなことを言っても無駄。それよりも混迷するこの時代をどう生き抜くか。人類の叡智とか大袈裟なことを言わずにまずは他力本願の甘えを徹底的に捨て、自力で一歩一歩前へ進んでいくしかない。試練の時代である。

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