お金好き?ベトナム人・中国人・日本人の金銭観比較

 お金に対して、ベトナム人と中国人は、似ているところと似ていないところがある。在中在越勤務を共に経験した某日本人経営者がこう語る。

 「ベトナム人も中国人もお金が好き。ただ、中国人の場合お金は多いほうがよくどんどん稼ごうとしますが、ベトナム人、特に南方系ベトナム人は、土地柄自給自足度が高いせいか、ある程度お金があれば頑張らなくなったり、会社を辞めたりしてしまいます」

 直観的な印象、一般論としての傾向性を示すには、確かに納得する部分がある。お金好きか嫌いかというと、日本人も他国人も嫌いな人は極めて稀であろう。ただ、日本人の特徴は、お金の絶対値よりも公平性をより多く見ることではないかと。

 さらに中国人も無限の貪欲をもっているわけではない。最近裕福な家庭によく見られる現象だが、特に若年層で自らの経済状況に満足し、仕事にハングリー精神を失った人がよく見かける。

 ただそのなかに、仕事への投入(労力や時間など)と期待インセンティブ(対価となる給料や賞与)が釣り合わないと判断した故に努力を放棄した人もいる。

 いずれにしても一概と論ずることが難しい。人事労務管理という仕事は最終的にお金の分配、インセンティブの給付がすべてであるため、従業員の金銭観を把握することが大切だ。

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