沼津食い倒れ日記(6)~珍魚探し、そして一匹狼の深海サンゴ

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 魚を腹いっぱい食べたあとは、魚を見に行く。これに尽きる。食堂街が位置する沼津港「港八十三番地」には面白いスポットがある――沼津港深海水族館。正直私は海洋科学たるものにはほとんど興味がない。安くもない入場料を払って水族館を歩き回る目的は、食材となる珍魚探しと仕事のネタ探しである。

 まず目に入ったのは、ベニテグリ。「手繰り綱」という底曳き網に似た漁法で獲れる紅い魚。メゴチに似たこの手の魚はやはり天ぷらだろう。見た目ではなかなか悪くなさそうだが、実際に天ぷら専門店ではいままで食べたことがない。珍魚を扱う仲買さんと仲良くならないと手に入らないものなのか。その辺はよくわからないが、一度食べてみたい魚だ。

ベニテグリ

 カサゴにも興味がある。メバルによく似たカサゴだが、毒持ちなのだ。正確に言うと、毒針。メバルと間違えて素手で掴むと大変危険だと言われている。渾身に長い毒針が生えているカサゴも存在しているようだ。どのような味がするのだろうか。そもそも毒と美味に果たして関連性があるのだろうか・・・。

 深海のサンゴも面白い。サンゴといえばサンゴ礁、一面とサンゴの大群が広がるというイメージだが、それはあくまでも熱帯や亜熱帯の浅海サンゴの話だ。海に差し込む光、その光合成で栄養を作り出し、大量集団棲息が可能になる。

 しかし、深海には光が届かない。すると、サンゴは深海を漂うわずかな動物性のプランクトンなどを捕食してゆっくりと成長し、小型で単体にならざるを得ない。まさに海の一匹狼といっていいだろう。

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