マーラーやワーグナーの怒鳴りを恐れず、不純な古典音楽愛好者

 日曜日は月例コンサート、マーラーの第5番。マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団(MPO)の2019年シーズンがスタート。

 クラシック音楽が好きだ。同じ曲を何十回、何百回聞いても飽きが来ない。CDを1枚買った場合、数回しか聴かないのと何十回、何百回も聴くのと初期投資の減価償却率が全然違う。芸術家には申し訳ないが、私は職業柄すぐにこの手の計算をするので、夢の欠片もない。

 コンサートに出かけるのは、CD鑑賞とまったく異なる効果がある。コンサートは何といっても臨場感、そして指揮者や演奏者たちの生々しい人間模様が見える。さらに楽団の組織運営もウォッチングできる。わずかなチケット代は安いものだ。

 最後にはやはり思考力の鍛練。古典の解釈も通説があるなか、自分なりに想像を膨らませて、展開の可能性を探求する楽しみがある。時には少々の脱線があってもいいと思うし、マーラーやワーグナーたちが墓から出てきて怒鳴りつけてこないだろうから、安心だ。

 そんな私は誠に不純なクラシック音楽愛好者である。

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