1日5人も借金の電話がかかってくる、馬雲氏の年末挨拶に驚く

 アリババから引退した馬雲(ジャック・マー)元会長が12月21日、2019年上海市浙江商会年度大会に出席し、挨拶を兼ねてスピーチを行った。その一節を引用する。

 「2019年の企業経営は本当に大変だった。昔は一部の経営者が大変だったが、今年はほとんどの経営者が大変だった。昨日、私のところに借金を頼みこんでくる電話が、5回もかかった。過去の1週間に、不動産を売り出したいという友人は10人もいた。確かに大変だった」

 馬雲氏に電話をかけられる人、馬雲氏に借金を頼める人とは、どんな人だろうか。経営者といっても、普通の経営者ではないだろう。そのような経営者でも大変な状況、経営難に陥っているとはどういうことか。中国企業や中国経済の現状がどれだけひどいか、ある程度想像がつくだろう。

 馬雲氏が話を続ける。

 「経営難といっても、これが序の口かもしれない。1人や2人だけではなく、みんなが経営難だとすれば、世界が大きく変ろうとしている、そうした激変の時代に差し掛かっているとみるべきだろう。われわれは自分自身を変えて、この激変に適応していくしかない。これがチャンス到来の序幕でもある。学び続ける人には必ず未来が開ける。未来のために問題を解決する企業にのみ活路が見出せる」

 2019年の総括にこれ以上適したコメントはない。そのまま引用して今年の締めくくりとしたい。

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