バリ日記(7)―裸を見る目線

<前回>

23150バリ島ビーチ風景

 トップレスだ。

 私はバリ島に5回以上来ているが、ビーチでトップレスを目撃したのははじめて。

 ビーチで、欧米人女性のトップレス風景は決して珍しくない。南仏のニース一帯のコート・ダジュール海岸やギリシャの島々で、トップレスでない方を探すのが大変なくらい、トップレスが当たり前。

 欧米人にとってみれば、ビーチで思う存分に太陽の恵みを受け入れ、体を解放させるのがバカンスの最大目的。トップレスで性的連想を引き起こすことはありえないし、逆にそう思っている人は変態ではないかと。

23150_2バリ島の空が青い

 最近は、トップレスだけで物足りず、オールヌードの解禁を求める声も増え、どこかの島が丸ごとオールヌード限定(いわゆる会員制のヌーディスト・クラブ)にされたという記事を読んだ。その島のビーチにいる限り、着服が規則違反となる。「赤信号みんなで渡れば怖くない」ではなく、「信号機設置禁止」なのだ。とても微笑ましい。

 しかし、アジア人はどうもそこまでできない。映画スターの章子怡(チャン・ツィイー)さんはビーチで外国人のボーイフレンドと少々親密な行動があっただけで、直ちにスキャンダル記事が一面を飾る羽目になる。欧米人の目線から見れば不思議で仕方ない。そういうマスメディアも最低だし、それを喜んで読む読者がもっと最低だと思う(私個人の価値観だが)。

 一方、アジア特に日本のアダルト文化が逆に欧米以上に発達している。文化と産業レベルに昇華すればよいのだが、アダルト全面禁止の中国では、アダルト写真は「人体芸術」と名付けられたり、大人のおもちゃは「成人保健用品」として売られていたりして、見ている方が恥ずかしくなるくらいだ。ちなみに、なぜ「保健」なのかよくわからない。大人のおもちゃを使って、「性的健康を保つ」のか・・・堂々とできないこういう中国は、私は、好きではない。

23150_4夕暮れ

 アダルト禁止の結果は、売春の活発化である。政府が売春活動を見てみぬ振りしても、産業の急成長は止まらない。私がずっと不思議に思うことがある。中国の売春産業はGDPに算入されているのだろうか。違法性を別としても、売り上げは馬鹿にできないくらいの巨額に上っている。一方、売春婦が個人所得税を支払わなくてよいという可笑しな現象が起きている。赤線を引っ張って、売春産業を認めるべきだろう。シンガポールだって、そうしているのではないか。

 ということで、少々話しは脱線したが、トップレスは、異なる目線で見れば、まったく異なる結論にたどり着くわけである。

 トップレスは、とても健康的で、私は良いと思う。

<次回>

タグ: