【VOA 取材記事・ラジオ放送】日本与党総選挙にも台湾支持表明、中国妨害不可避へ(抄訳)

【VOA 取材記事・ラジオ放送】『日本与党総選挙にも台湾支持表明、中国妨害不可避へ』=中国語記事『日本执政党大选政见挺台入国际 中国因素恐成障碍』(2021年10月19日付ボイス・オブ・アメリカ(VOA))(抄訳)

● 反中・台湾支持はポリコレ

 日本の与党自民党は10月12日、衆議院議員総選挙の政見発表で台湾の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加盟申請および世界保健総会(WHA)へのオブザーバー参加を支持する立場を、外交政策として表明した。

 国際経営コンサルタント、エリス・コンサルティング社創設者である立花聡博士は、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に応じ、次のように指摘した。「一般的に、外交が衆院選の重要議題になりにくい。特に台湾の国際社会への参加というような問題。しかしここのところ日本国民の対中感情が悪化する一途をたどり、同時に台湾に対する好感度が上がり、そこで看過できないある現象が現れた。つまり、ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)。台湾の国際社会復帰を助けることが、日本の選挙でも重要な政見となったのだ」

 立花氏はこう述べた。「いわゆる『反中親台』は日本である種のポリコレの地位を確保した。ポリコレはもともとイデオロギーが優先するという意味だが、日本の文化や社会に立脚すれば、それは必ずしも終始、ある種の政治的原則あるいは政治的価値観を代表するわけではない。それが道徳規準として規範化し、あるいは社会的正義になったといってもおかしくない。岸田新首相というと、中国大陸のメディアは、彼のことを『碰瓷(ペンチー)』と呼んでいる。北京の方言で、要するに故意に他人の車に接触して『交通事故被害者』となり、慰謝料や賠償金を強請る当たり屋のことだ。これは恐らくもっとも適切な表現ではないかと思う。台湾のTPP加入を支持する。これは至高のポリコレであり、錦の御旗だ」

 立花はさらに付け加える。「台湾の国際組織への参加にあたって、日本は具体的にどんな措置を講じてそれを支援するか、そして台湾自身も法改正して加盟国と協議するが、いずれも規則に従って粛々と問題解決にあたればよいい。それだけでいい。実際にどう進めるかは、適応型課題であり、各ステークホルダーの利害関係所在を整理し、情勢の変化を確認する必要がある。これは動態的な過程であるから、現時点で断定的な予測をすることは難しい」

● 福島県産食品の台湾輸入禁止措置が障害になる

 2018年11月、台湾の野党国民党が主導した住民投票の結果、東電福島第1原発事故に関し福島など5県産日本食品の輸入規制の2年間の継続を決定した。同年12月、日本の河野太郎外相(当時)が「台湾が規制撤廃をしなければ、TPP加入はできない」と強硬姿勢を示した。住民投票はすでに2020年末に失効し、台湾の行政当局に対する拘束力を失ったものの、台湾政府は未だに動き出していない。

 立花氏はこう指摘する。「消費者の立場からすると、当然リスクを評価したい心理と行為が生まれる。まずは福島県産食品の代替性について、かなり高い代替性があるならば、消費者はリスクを取って購買行動に踏み切る理由が見当たらない。『作為』が『不作為』よりリスクが高いのは自明の理。理性的な消費者はよくわかっているだろう。この問題をどう解決するか。『作為(購買)』の利益を積み上げるか『不作為(不購買)』のコストを積み上げるかのどっちかしかない。後者は難しいから、前者に頼る。福島県産食品を買う利益をいかに引き上げられるか、知恵が問われるだろう。IQだけでなく、高いEQも必要だ」

● 中国の妨害、意図的な加盟申請で加盟国に圧力

 中国は9月16日、台湾が9月22日に相次いでTPPへの加盟を正式申請した。中国は台湾をその領土の一部分として捉えており、台湾単独の国際組織への加盟を強く反対してきた
 
 エリス・コンサルティング社創設者である立花聡博士は仮説を立てて解説する。「仮説として考えられるのは、中国はそもそもTPP加盟など考えていなかったことだ。加盟申請は単なるカードにすぎない。中国が加盟できなければ、台湾もダメだろうと。言い換えれば、台湾加盟を妨害するための加盟申請だった。しかし、台湾より一足早い。この問題の本質は、目的と手段の設定にある。上に述べた仮説に基づけば、状況は違ってくる」

 中国と比べて、台湾の加盟が難しい。立花氏はこう指摘する。「中国は民主国家ではない。有権者からの圧力も票の圧力もない。党内派閥闘争の問題を内部でクリアすればいい。それが難しかったら、強権発動すればいい。だから、中国にとってみれば、適応型課題は民主国家に比べて相対的に影響が小さく、対処もしやすい。技術型課題に集中すればいい。もちろん意思決定システムが狂うリスクは存在している。ただ、民主国家の意思決定の品質は必ず中国より優れているかというと、そうでもない」

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