北京羊しゃぶ、赤道直下で食す北方の冬の風物詩

 無性に食べたい。北京郷土料理の、あの「涮羊肉(シュワンヤンロウ)」、羊しゃぶ。北方の冬の風物詩だけに、ここ赤道直下という南洋の地で食すにはいささか違和感?といわれると、いや、だから食べたいのだ。

 まず、器具。煙突付きの火鍋。昨今ネットショッピングで何でも手に入る時代である。マレーシアでオンライン発注すれば、中国から運んできてくれる。これは本物だ。

 具材に関しては、羊肉はイスラム教の国であるから、日常食として簡単に仕入れられる。ただ、羊脳、羊腰、羊排骨といったフル羊シリーズとなると、少々難儀。とりあえず、シンプルメニューから入るしかない。エビなどの海産物もあったので、今回は正統派の清湯(ほぼお湯)を諦め、タイのトムヤム風にしてみた。

 焼肉こん炉を使って火を起こしてから、真っ赤に燃えている炭を煙突火鍋へ移す。そのほうが一気にスープが沸く。さあ、いただきましょう。何と美味のこと。やはり炭火が電気やガスと違う。具材の風味が丸みを帯び、炭の香りに包まれている。お酒は中国の白酒が合う。

 肉やエビ以外の野菜は農家から朝摘みを仕入れたもので、またこれは美味しい。ご馳走様でした。

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