異なる意見に耳を傾けたり、議論したりしてはいけないとき

 人間の頭脳、思考回路というのは、コンピューターのOS(オペレーティングシステム)のようなものだ。異なるOSでは、アプリがうまく作動しないわけだ。

 よく自分と違う意見を聞いたほうが有益だとはいうが、同じOS同士ならまったくその通りだ。しかし、異なるOSだと、有益どころか時間と労力の無駄になることも多々ある。そういうときは、意見交換とか議論とか絶対にやめたほうがいい。

 異なるOSかどうかの見分け方は?いろいろある。場面によって使い分ける必要がある。私は仕事柄、事実認識を重要視する傾向があるため、すぐに価値判断する思考回路を持つ人とはOSが違う。

 例えば、ウクライナ戦争。私は「なぜ戦争になったか調べよう」(事実認識)というが、これに対して「どんなことであれ、侵略した側が悪い」(価値判断)。そういう場面だと、それ以上議論を続けても無意味。いや、それ以上議論すると、「あなたは侵略者側に立つのか」と悪党一味として叩かれるのがオチだから。

 常に「善」「正義」側に立つ人たちは互いに同調し合うことが多い。同調だけでなく、共通の敵や仮想敵を立てて一緒に叩こうとする。敵対側を糾弾し、罵倒し、勝利を喜び合うのだ。

 そんなところで、やはりOSを修正することはほぼ不可能であるから、最終的に棲み分けが一番だ。

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