日本人の中国に対する考え方は、時代の変化と連動しながら、一度ゼロベースに戻さないといけない。先日までは、中国の現政権について軟禁やらクーデターやら、様々なデマやが出回っていた。すべて希望的観測に過ぎない。状況判断から見ても、あり得ないことだ。
繰り返しているが、中国にはクーデターはあり得ない。誰がそんなことをやるのか?主体が見当たらない。クーデターには組織力が必要で、1人でも裏切り者が出たら一巻の終わり。そんなリスクを取れる人はいるのか?ましていわゆる自由や民主のためという人はいるのか?答えはあまりにも明確だ――No!
クーデターを起こす力を持っている人なら、ほぼエスタブリッシュメントで全員が現体制の恩恵を受けている。日本人が野党に投票する勇気すら持っていない。その感覚かける10倍で中国にはクーデターの可能性は、ゼロ%だ。
論理的思考を持たない人、中国のこと何も知らない人、希望的観測に酔い痴れる人、反中をポリコレとする人、映画を見すぎた人は、クーデターや軟禁情報を鵜呑みにしている。習近平政権は史上最強フェーズに入ろうとしている。中共20次大会によって、軍指導部は、反米・台湾武力統一派で固まるだろう。台湾統一も時間の問題。
日本人はステレオタイプ的に民主主義迷信にいつまでも浸かっている。西側は「民主=善、独裁=悪」という二極論を一般庶民に刷り込み、洗脳してきた。民主主義はすでに脱線し、暴走している。偽装民主主義の下で欧米エスタブリッシュメント・既得権益層(いわゆるディープステートDS)はとっくに独裁を始めている。
思うに、中国が民主制になっても、米国と対立すれば同じく叩かれる。中国が独裁制のままでも、米国に臣服さえすれば子分扱いで済む。問題の本質は、民主か独裁かではない。民主も人権も米国の口実、カードに過ぎない。さらにいうと、民主制が米国にとって最も好都合なのは、選挙があることだ。米国の傀儡を立てることができるからだ。
中共20次大会を経て、習近平は2032年まで続投し、10年かけて若手(70年代生まれもあり得るだろう)後継者を育成する方向が合理的といえる。習近平は鄧小平後中国最強の指導者になる。
トランプはDSと戦っている。プーチンはDSと戦っている。そして習近平もある意味でDSと戦っている。私は人物的には習近平が好きではないが、DSと戦う習近平を支持せざるを得ない。習近平を支持したい。どんな批判でも甘受する。
中国やロシアが崩壊したら、世界は偽装民主主義DSの一極支配下に置かれる。彼たちは民衆を搾取するところは社会主義独裁者に勝るとも劣らない。いや手口がもっともっと巧妙だ。悪であっても、悪同士の相互牽制をなくしてはいけない。これを理解できない人は、申し訳ないが、勉強不足か勉強しすぎ。DS反対しながらもDSに洗脳された人は大勢いる。
繰り返してきたことだが、時代は、米英アングロサクソン海洋国家時代からユーラシア大陸国家時代へシフトしている。
日本は、アングロサクソン国家でもなければ、金融国家でもない。日本は製造業を基盤とする特殊な海洋国家である。実質的に大陸圏との連結を無視して米英に追随するのでは致命的結末・終末を迎えざるを得ない。フランスやドイツといった欧州国家は英国と温度差を見せているのもそのためだ。
西洋文明と称して、ギリシャ哲学からルネサンス、フランス革命まで全てユーラシア大陸出自である。米英のアングロサクソン文化は、海洋集落の落ちこぼれに過ぎない。文明の本源回帰は今起ころうとしている。本質を見極める力を日本人に持ってほしい。米英の奴隷のままでいいのか?
文明の盛衰と交替は、人の好嫌や価値と関係なく、歴史の流れとして逆えない。欧州発の文明が超民主主義のフェーズに差し掛かったところで洗練さが色褪せ、衰退の一途を辿る。中国は間違いなく、これからこそ政治的台頭を始め、少なくとも地球半分以上の中心になるだろう。2020年以降、世界の潮流が変わったのだ。
トランプはそれを食い止めようと必死だったが、成功できなかった。
日本は対中姿勢を修正するだろう。米国の白色人種の欧州に対する容赦なき搾取を見て、黄色人種の我が身を振り返って結論が見えてくる。対米一途で馬鹿馬鹿しい。決して中国と結盟するわけではない。米国牽制に中国を使う。かつて米国がソ連牽制に中国を使ったのと似ている部分もある。
イデオロギー先行では国益が損なわれる。台湾にも同じことが言える。蔡英文民進党が政権維持のため連米抗中をやっているだけ、この本質を見抜く必要がある。
嫌でもやってくる。中国、東側の時代だ。