お金と海外移住、貧しい日本人のもつべき「金銭美学」

 「昔は日本人客がよく来ていたが、今はさっぱり」。――マレーシアの旅先の某料理店で店長がこう嘆く。その店も見渡すと、韓国人客ばかり。私たち夫婦もどこへ行っても韓国人や中国人に間違えられる。聞いたら、日本人はあまり見ないし、レストランの場合安物しか注文しないと。認めよう。日本はもう貧困国である。

 先日の某番組では、マレーシア移住MM2Hの条件が資産4000万円に引き上げられたことで、「それだけのお金をもつお金持ちはマレーシアへ行くのか」と言っていた。思わず噴き出した。4000万円でお金持ちだとでも思っているのか?世の中、4億円や40億円をもってもマレーシアに住みたい人はたくさんいる。

 思うに、お金持ちとは資産10億円がベース。これが世界の基準だろう。今日本人の中に世界の基準でお金持ちと言える人は国民の0.5%も満たないだろう。

 海外移住は、基本的に2つのタイプに大別される――。お金を使うための移住お金を稼ぐための移住か、まずはっきりした方がいい。私の場合90年代に海外に出てきたときは、後者だった。出稼ぎは何も恥ずかしくない。むしろ出稼ぎしなくてはならない日本人なのに、国内で外国人労働者を受け入れているほどおかしいことはない。

 今、アジアの中、ちょっとお金を使う場所に行けば、基本的に中国人と韓国人しかいない。日本の時代はもう完全に終わったのだ。

 もう少しお金の話をしよう。お金が稼げない人が「お金より大事なものがある」と言っても信用されない。単なる「酸っぱい葡萄心理」――。キツネが届かず取れなかった葡萄のことを「酸っぱくて美味しくないモノに決まっている」と自己正当化する。

 日本人の場合は即時餓死するほど貧しくはない。その多くは明日のことを心配して懸命に貯金しようとしている。来る日も来る日も年収ランキング特集を組む日本国内のビジネス誌。日本人は世の中どの民族よりもお金のことを気にしていないか?だったらそれはそれでよろしい。美辞麗句の「お金より大事なものがある」論を吹聴するのはやめよう。格好悪すぎる。

 中国人が「おいら、お金にしか興味がない」というのがよほど正直で言行一致だ。違いますか?

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