日本人と中国人の論争――。
日本人「嫌日反日、独裁専制好きなら、中国人は日本から出て行け」
中国人「嫌中反中、自由民主好きなら、日本人は中国製を買うな」
政治と経済、どっちがどっちを制御しているか？経済が政治・社会を制約するというマルクスの唯物史観が正しいようだ。中国人が日本から出て行けという日本人Aと、中国人インバウンドで食っている日本人Bとの分断が起きる。さらに日本人A自身も中国製や中国サプライチェーンで生きていることとなれば、自己矛盾や自己分断が起きる。
日本人の嫌中反中の叫びは、ストレス発散に過ぎない。それを見破った中国人は日本人をさらに軽蔑する。これが現実だ。
「日本企業は中国から撤退せよ」と叫ぶ日本人も多い。なぜ、撤退しないのか？その製品を買う客がいるからだ。日本市場では、日本人が買っている。中国市場では、中国人が買っている。
さらに、「日本企業」とは何か？中国人に買収されたらどうする？それとも、日本企業を売ってしまう日本人を叩くのか？では、日本の土地や建物を中国人に売ってしまう日本人も叩くのか？気がついたら、日本人と日本人の戦いになっている。経済が政治・社会を制約しているからだ。
スローガンを叫ぶ日本人、冷笑する中国人。勝者はどっち？負けは怖くない。怖いのが負けを認めないことだ。
「反中」の投稿をSNSにし、「脱中国」を叫ぶ日本人。もしや、iPhoneを使って投稿している。あなたの持っているそのiPhoneは、6割の部品が中国製だ。すぐにでも、iPhoneを捨てなさい。ちょっと言い過ぎだが、サプライチェーンという概念をまず理解してほしい。
嫌中反中を激しく叫ぶ日本人には共通点がある。いわゆる保守というが、単に「符号」を追いかけているだけ。今の日本では、反中の叫び声に少しでも疑問を投げかけると、すぐさま「お前は中国の肩を持つのか」と指弾され、「反日」のレッテルを張られてしまう。実はそのやり方は、共産党や独裁政権のやり方にそっくり、いや、そのものである。
知的水準の低い人もいるが、単に日常の鬱憤晴らしやガス抜きに「反中」という藁人形を使っているだけ、そういう場面も多い。彼たちは、中国を悪とする「価値判断」を前面に出しながらも、日本人の対中経済依存という「事実認識」からひたすら逃げている。
旦那のDVを激しく批判・非難する妻がいる。しかし、「訴えたほうがいい」「家から出たほうがいい」と助言しても、訴えないし、家からも出ない、ましてや離婚などは絶対にしない。そのうえ、しっかり悪くない生活費をもらっている。そんな女性にそっくりではないか。
ある意味で、お気の毒だ。
最後に、反中の皆さんにお願いがある。罵りよりも実力を中国共産党政権に見せよう。日本国民全員に脱中国サプライチェーンを呼びかけよう。生活コストが3割4割アップしようと、歯を食いしばって我慢しようと。産業回帰して日本人に工場労働者や農民になれと呼びかけよう。
そして、それを推進してくれる政治家に票を入れよう。誰かいないか？そんな政治家は。
