「革命国家」ニッポン、日本人の将来は暗くて明るい

 『藤巻健史「ドルを持つ者だけが、救われる」超円安説を的中させた男が語る「日本、第二の敗戦」』のポイントに私の観点を加え、まとめておこう。

 このままいくと、日銀が潰れる。日銀が潰れた時点で、日本人の(日本円)資産は一度政府に持っていかれ、貧困モードにリセットされる。これは第二の敗戦だ。日本経済も日本人も二度目の「焦土化」を経て、再起する。だから、すっからかんにならないためにも、日本円を減らし、ドル等の外貨資産を増やすわけだ。

 しかし、大方の日本人は日本円のことを信じ、外貨資産に興味を示さない。藤巻氏の言説に反発的で氏のことを狼少年扱いする人も多い。これに対して対照的に、中国人は危機管理意識が抜群で、それぞれ家庭の外貨準備を着々と積み上げ、海外資産の整備に余念がない。民族性の相違と言っていい。

 日本が貧乏になったのは、社会主義国家だからだ。しかも、世界最大の社会主義国だ。言い換えれば、中国は資本主義国だ。社会主義は所詮、資本主義に勝てない。だから、日本は中国にどんどん負けている。格差を是正する道は、共同貧困への道である。日本はその道をまっしぐら。

 格差は絶対に必要。天才は周りとの格差をみて自分の成功を実感し、ますます頑張る。日本はその逆。天才は足を引っ張られ、叩かれ、お金を持っていかれ、場合によっては刑務所に放り込まれたりもする。だから、天才はみんな海外へ逃げてしまう。私が繰り返してきたように、日本は一度も新自由主義など経験したことがない。

 思うに、日本を変えられるのは、3つある――戦争、経済破綻、クーデター。つまり、日本には、「改革」ができない。日本を変えるのは、「革命」である。

 藤巻氏は、「すごいチャンスだ。Xデー後の数年間は、下剋上の世界。大金持ちでも円に固執していた人は没落していくし、ドルをたくさん持っていた人は上位にいく。このような人は、再生日本に乗っかっていけるわけだ」と指摘している。

 さらにそのうえ、政治的リスクを加味すると、何らかの形で日本は中国支配下に置かれる可能性もある。日本企業が二束三文で中国に買われると、将来は逆のパターンで、日本人は日本現地採用で、みんな中国人社長・経営幹部、中国人駐在員の下で働くことになる。中国語や英語力で出世が決まったりする。

 もちろん、終身雇用制は完全崩壊する。正社員は消え、サラリーマン全員が非正規雇用になる。そんな大革命期に日本は差し掛かっている。

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