秘境リペ島(2)~悪アクセスも魅力満点、幻の魚に出会う

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 タイ最南端にある最後の秘境という名をもつリペ島は、要するにアクセスが極端に悪い。タイ本土の最寄りの街はハジャイ(ハートヤイ)で、陸海乗り継いで4時間はかかる。タイよりもマレーシアのランカウイ島から船で1時間半で幾分アクセスしやすい。

 ランカウイで道草を食って、翌日の1月9日(火)はリぺ島へ移動。朝、ランカウイのKuah Jettyで船のチェックインをし、出国手続きを行う。1時間半でタイのリペ島へ到着。直接に接岸できないので、沖に停泊する船からロングテールボートに乗り換えてやっと上陸。最後に砂浜にある入国審査事務所(小屋)の前に並び、パスポートにスタンプを受け、めでたくタイに入国。

島いちばんの繁華街、Walking Street

 小さな島で、その気があれば、徒歩一周でもできてしまう。歩きたくなければ、トゥクトゥクを利用する。1人50バーツで現地物価からして安くないが、需要があるだけに売り手市場だ。島のほぼ中央に、800メートルほどの「Walking Street」があってそれが唯一の繁華街となる。

Ranee Seafood

 リぺ島のイメージといえば、寂れていて、80年代のプーケットにそっくり。海はきれい。物価もプーケットに比べると断然安い。早速夕食は、Walking StreetのはずれにあるRanee Seafoodで食べる。この店は中国人観光客の御用達で中国語ができるので便利。

 ただクレジットカードは使えない。オーナーはカード手数料5%を取られたら商売が成り立たないので、何とか現金かWeChat Payでお願いしますと。確かに値段は安い。到着初日の財布はタイバーツ現金が不足気味で、最終的にマレーシア・リンギットの現金支払いで交渉が成立。

 海老、大きなタイガーが新鮮でうまい。タイの場合、グリルとトムヤムクンの二刀流で食べられるのが素晴らしい。この手の店は概ねお酒も持込自由であるから、料理だけで1人3000円もあれば十分だ。とはいえ、ある程度の値段交渉は怠ることなく、しっかり予算管理に取り組む。

 魚はシーバス(スズキ)。やはり、単純に塩焼きがいい。大きな魚を焼き上げるのに結構時間がかかるので、待っている間にいろいろ食べたり飲んだりしていると、魚にたどり着くまではほぼ満腹状態だ。魚の肉がプリプリして絶品だ。シーフードをお腹一杯食べられて幸せだ。

幻の魚アカメ

 と、魚シーバス(スズキ)の話をフェイスブックに投稿したら、友人某氏から以下のコメントが寄せられた――。「スズキの形状を見てアカメであると思う。日本では四万十川河口でたまに獲れるかなりの希少種だ。生きている個体はまだ見たことがない。日本でも食た人はかなり少ない。幻の魚で相場が高く数万円は下らない」。私は魚音痴でまさにタイの辺境でこんな幻の魚に出会うなんて夢にも思っていなかった。しかも、日本円換算でわずか1900円。ラッキーだった。

幻の魚アカメ

 隣のテーブルは中国人客。どうやら1日釣りツアーから帰ってきたグループらしい。釣れた魚を刺身にしてもらい、ワサビ醤油で美味しく食べている。なぜかお酒はツアーガイドが持ち込んだ韓国焼酎の眞露。それも悪くないコンビだ。うらやましい。明日は刺身が食べたい。

 ご馳走様でした。

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