上海出張雑感~和食市場の日中比較

 3月下旬の上海出張。天気にも恵まれ、ビジネス訪問やセミナー以外の時間で市内のあちこちを散歩し、いささか観光客気分で上海の春を満喫した。

 今回は虹橋に泊まり、近辺の和食店で食べる機会が多かった。全体的に上海の和食のレベルが非常に高いと実感できた。日本とほぼ変わらない。しかも、日本からの水産物が全面禁輸となるなか、代替のサプライチェーンがすっかり定着し、もはや本家の「食材神話」がすでに崩壊したと言ってよい。

 和食調理人の腕も格段に上がった。とりわけ、高度な技術と感性を要する懐石系を除いて、焼鳥や寿司、鍋物といった一般和食では中国人調理師が完全に日本人に取って代わった。わざわざ高い給料を払って日本人を雇う必要もない。逆にがんじがらめでいわゆる本格派「王道」に固執する日本人職人が中国人客のニーズを捉えられないというデメリットもある。

 ただ、上海の食事は和食に限らず、日本より高くなっているのも事実。経済成長に伴う相場の上昇を実感する一方、日本市場の異常な安さを改めて認識できた。

上海市内散歩中
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