「力による賃金変更」、力が付いた中国の労働者たち

 「力による賃金変更」。――本日付けの産経新聞は、一部私への取材を引用し、報じた。

 ここのところ、中国の企業労務現場では、「労強資弱」の様相がより鮮明になった。従来、法を背景にした労働者権利主張が多かったが、最近は、労働者の「力による賃金変更」「力による企業経営介入」が一層露骨になった。労働現場における「法の支配」の弱体化が浮き彫りになり、危険水域に近づいてきた。

 労働者側をそそのかし、労働争議の手助けを生業とするいわゆる専門家集団が暗躍し、ストライキなど労働闘争利権の産業化は誠に憂慮されるべきことであろう。各種の争議の手口もより巧妙になり、性善説の日本人経営陣はとても相手ではない。

 集団の力を動員し、生産を止めて、強く当たれば日本人、日本企業は必ず屈服する。これを知ってしまった労働者たちは強い。特に製造現場では、お客様サービス、納期が命である日本企業の弱みが格好の人質になる。まさしくハイジャック同然の違法ストである。

 最近、顧客企業の工場を回って冒頭一番の質問は、「在庫、どのくらい持つか」。3日?1週間?半月?・・・。この在庫はストライキ耐性を図る上で重要な指標だ。「在庫をなるべく減らして、生産性を向上させる」という企業経営、工場運営の原則に反し、まさに中国経営の潜在的コストである。

 力が付いた中国の労働者、力が付いた中国、そこで「力による現状変更」ではなく、法の支配の力を強化してほしい。どうやら、現実は楽観できないようだ。

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