悪戦苦闘中、ベトナム人企業幹部研修カリキュラム編成

 旧正月明けにはベトナム出張。ハノイで「ベトナム人企業幹部候補育成問題」セミナーで講演する。

 昨年12月のハノイ出張のとき、現地でセミナー講演の打診を受けるが、私はベトナム関係の専門知識が少ないことで一時躊躇し、「中国の話なら喜んでさせてもらう」と答えた。

 しかし、ハノイ現地の日系企業を訪問していろいろ話をしていると、人事労務面では基本的に中国と類似か同一の課題を共有しているのではないかと言われる。むしろベトナムの延長線上に中国があるような印象を受けるという方も複数おられた。

 であれば、話が早い。中国向けに開発された幹部候補育成研修商品を、基本コンセプトを残しつつ最適化するだけで、とりあえず使えるのだ。2か月の作業を経て、今ようやくベトナム版の枠組みが見えてきたところだ。

 ベトナムと中国は、ともに儒教圏、共産主義史の持ち主であるなど共通点が多い。ただ、嫌中感情が非常に強いため、中国色を減らすなどで既存の研修商品の最適化に気を使った。

 最後の課題は通訳。私はベトナム語ができない。故に研修はすべて逐次通訳を入れる必要がある。ただ日越通訳で研修内容を精確にこなせる人材はほとんどいないため、最終的に、相対的に人材の多い中国語・ベトナム語専門のベトナム人通訳を使うことで調整を進めている。一方、私自身は研修中の「キーワード」をすべてベトナム語で暗記するつもりだ。

 さらにいうと、クラスでの中国語使用に嫌中感情をもつ受講者から反感が出るかどうか懸念される。もちろん、感情緩和誘導役は私の仕事だ。

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