自共二大政党国家への道、大同小異民主の敵の敵は味方か

 日本はいずれ、自民党と共産党の二大政党になる。数年前、私が冗談のつもりで言ったことだが、どうやら少し真実味を帯びてきたようだ。

 「自民党と民主党がどう違うの」という質問に、「どっちも与党の座を狙っている」と私は答えられないので、いつもこう誤魔化すのだった。だが日本共産党の位置づけは非常に明確だ――。万年野党だからこそ元気に生きている。

 民主党は政権を狙いたい。そのために何でもする。安保法の一件で明らかになった。本当に反安保なのか、民主党。いや、過去はどうでもいい。いまは反安保、反自民党だから反安保。自民党がやろうとすることは基本的に反対。日本の国家的な視点や党の理念・信条原則といったものはどうだっていい。いよいよ民主党自身は末期の様相を呈し、独自での政権交代が無理だと判断すると、共産党との協力も惜しまない。

 だが、共産党は民主党と違う。戦後武装闘争の革命路線を表向きには放棄したものの、DNA的な部分は意外にも一貫性がある。特にここのところの日本社会の変遷、貧富の格差の拡大などといった社会現象は共産党にとって決して悪い話ではない。多くの国民にはガス抜きが必要だ。共産党はそのガス抜き機能を持っている。するとそれが間違いなく集結力につながる。そのパワーが一気に強まることはないが、じわじわと影響を拡大することが可能であろう。

 共産党のこの潜在的「成長性」に目をつけたのか、民主党が共産党に急接近している。反安保の共闘で、岡田氏と志位氏が並んで撮った写真を見ていると、「敵の敵は味方」とうのがこれだなと一瞬思った。法成立後は、早速も志位氏が安保法廃止を前提に「国民連合政府」構想を打ち出し、来夏の参院選で統一戦線の結成を呼びかけ、岡田氏は「待ってました」のように手を上げようとしている。

 「小異を捨てて大同に就く」という諺がある。さあ、それは民共両党に当てはまるのだろうか。「小異」も「大同」もいろんな問題を抱えているように思えるが・・・。

 私の妄想だが、民共は共闘で自民党を倒し政権を奪取した場合、日本はどうなっていくのか。いやいや、妄想すらできないほど恐ろしい。結果的にどうなるか。共産党の躍進と民主党の破滅というシナリオしか考えられない。民主党がしたたかな共産党に利用されるだけの話である。

 共産党は与党の座を当初から諦めている。だが、二位を狙う野心は見え隠れする。それが将来的に自共二大政党国家になるかどうか、大変興味深い。逆にこれは自民党にとって都合のよい話なのかもしれない。

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