政治家の選び方。日本の教育、学校では、専門的にこの最重要課題を教えているのだろうか。参議院選に先立って、私なりの「政治家の選び方」を紹介したい。
ステップ1.政党を選ぶ。
これはもはや、日常的に普段からの勉強が必要だろう。
その一、与党側のパフォーマンスを評価する。これは短期、中長期に分けてみる必要がある。短期的に約束されたことの達成度はどのくらいか。未(完全)達成の場合の原因は外部の不可抗要因か内部要因か。要するに未達成に対する与党の責任はどのくらいか、それは事前予測や施策対応が可能だったかどうかも考慮しなくていけない。
中長期的課題は、将来に備えて場合によって子孫のための仕事で、必ずしも目先の利益につながるとは限らないので、特に冷静に判断する必要がある。
あとは、何といっても、一般国民が往々にして無関心になりがちな外交や防衛、教育や文化、国家という利益共同体に関わる政策の取り組みの情況を確認することだ。この辺は、必要かつ重要な「不人気政策」も含まれ、国民として冷静に見つめて判断できるかどうかにかかっている。
その二、野党側のパフォーマンスを評価する。その中核的指標は、与党を打倒するための政策を叫んでいるかどうかだ。物理的に、与党が何を言っても反対する、そういう低レベルの野党はまずやめたほうがいいだろう。特に上記のような重要な「不人気政策」やすぐに効果が表れない中長期政策を材料に与党を叩く野党は最悪だ。
ステップ2.選挙区候補を選ぶ。
自分が所属する選挙区の候補者について、支持政党だけでなく、他党の候補者も合わせて、パフォーマンスと政策を重点的に評価する(評価基準や方法は上記政党評価に準ずる)。新人を含めて、候補者の既往経歴や実績だけでなく、その人の信条や価値観、主張、思考回路も入念にチェックする。特に気をつけたいのは、うわべのスローガンに囚われないことだ。
民意迎合のための政策やスローガンだけで判断してはいけない。たとえば、子育支援に環境の改善、施設の増設や手当の支給など、一見して選挙民が喜ぶような話だが、その根拠や財源、政策実施上の阻害要素と解決法をセットで提示できず、ただ空洞化された美辞麗句を叫ぶ人物は信用できない。
政策提示について、その裏付けとなる問題は何か、政策形成の根拠とは何か、提示された政策のメリットとデメリットとはそれぞれ何か、政策実施を妨げる要素とは何か、その解決法とは何か、政策をどのように実施するか、政策実施の結果に対する責任の取り方とは何か・・・。このような説明はちゃんとしているか、論理的な議論ができているか(筋が通っているか)、全面的に評価し判断する。
限られた街頭演説の時間に上記情報をすべて入手することは不可能だ。だから、選挙民は独自の勉強・リサーチをしなくてはいけない。ホームページやブログ、ニュース記事の検索、あらゆる手段を駆使して、候補者の実態を捉えるよう取り組むのである。そういう勉強をしっかりしてこそ、責任ある市民ではないだろうか。
ステップ3.比例候補を選ぶ。
通常は支持政党名を比例票に書き込むだけでよいが、できれば、支持政党の「お気に入り」比例候補者を選び、その候補者名を記入したい。「お気に入り」比例候補者の評価・判断基準は基本的に上記選挙区候補と同じでよい。
個人候補者選びについて総じていえば、政治屋ではなく、政治家、できれば優秀な政治家を選びたい。当選するための選挙戦術には騙されてはいけない。その候補者が本当に国民のため、国家のために、何をしてくれるのか、それができるのか、本当のことを見抜くことが大切だ。
有名人とか、そういう看板で政治家を選ぶのが論外だ。一人ひとりの国民が真剣に勉強し、政治を議論し、吟味して政治家を選ぶとなれば、政治家もメディアも愚民扱いの手法が取れなくなる。これに尽きる。
是非、この私の「政治家の選び方」が少しでも多くの人々に役に立てればと念じてやまない。