終身雇用制度への「末期宣告」とともに、日本は新時代へ

 昨日のニュース。トヨタ自動車の豊田章男社長と経団連の中西宏明会長がそろって、日本における終身雇用制度の継続が難しいとの認識を示し、雇用慣行の見直しを呼びかけた。これはもはや、日本産業界の終身雇用対する「末期宣告」のメッセージである。

 昨年から、私が考案し、12年に渡りアジアの日系企業において導入・運用してきた「3階建®」(商標登録)人事制度の日本版の開発に着手した。これも、終身雇用制度の崩壊を視野に入れたものであった。今後の非終身雇用時代では、流動性と安定性のバランスを重視し、日本的慣習も幾分エッセンス的に保留される人事制度が欠かせない。

 このたび、私が執筆した論文「HR System for the Realization of Work Style Reform “Three-layered System” to meet diverse values(働き方改革のための人事制度構築~多様な価値観に適合する3階建人事制度)」は、6月18日−19日に京都大学で開催される「東アジア経営学会国際連合第15回大会」で発表することになった。

 日本国内もアジアも、初の3階建®の学術発表になると思われる。先行研究が少ないなか、論文自体も査読委員会から参考文献の少なさという指摘を受けながらも、主題の先行性・先鋭性について比較的高い評価を得た。時間と紙幅の制限から、今回の発表は、法学理論と実務論の一部に限られているが、続いて11月までの複数の学会で、様々な角度からの取り組みを発表していくつもりだ。

 さらに年末あたりを目途に、日本国内で実務書として、少々分厚い3階建®関連の専門書を出版する予定である。

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