客をじーっと見つめる店員、ハノイ某百貨店の一幕

 ベトナム・ハノイの某高級百貨店で視察。例によって飲食以外の店舗に立ち寄る客が少ない。そうしたなかでも、シューズ売り場にようやく若いカップルがやってきた。あれこれ手に取って真剣に品定めしているところ、店員が一向に声をかけようとしない。

 声をかけず、客にゆっくり見てもらうのも1つの手だが、この店員は3~4メートル離れた一直線上にじーっとカップルを見つめているのだった。カップルが1メートル移動すると、店員も1メール移動する。カップルもいよいよ店員の視線を気にし出したようで、ついに品定めする気を失い売り場を立ち去った。

 客が消えたのを確認して、ホッとした表情に転じた店員を見て、私が思わず悲しくなった。この店員はもしかすると、仕事をまじめにやっていたつもりだった(教えられたマニュアルとか)。ただ、販売とは何かという本質を知らないのと、自分の利益が絡んでいないのが問題だったかもしれない。

 ここはベトナムだ。

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