新型コロナ危機に見られる日本社会の非論理性

 新型コロナウイルス。検査しないのは、「感染件数」を減らすことができない。「感染確認件数」を減らすに過ぎない。感染者を隔離しなければ、感染と蔓延が拡大するのみ。感染が拡大すれば、最終的に医療崩壊を招来する。検査しないのは、医療崩壊の回避でなく、その逆効果を招く自己欺瞞に過ぎない。これだけ簡単な話だ。

 「マスクをつけても感染を防げない」。だから、「つけなくていい」「つけないほうがいい」「マスクは役に立たない」ことになるのか?最近、こうした非論理的な結論誘導の手口が目立つ。正しくは「マスクだけで完全に感染を防げない」「ただし、つけないよりはつけたほうがいい」。言葉使い、表現上のトリックである。

 非論理的な話が多すぎる。感染のピークを後ろにずらして緩やかな山にする。中国の「結果」を真似しようとする日本は、中国の「手段」(過激なものが多い)を真似することができない。だから、失敗する。いや、大失敗するだろう。徹底的な検査隔離、そして海外遮断。この3つの鉄則をやらない限り、惨敗するだろう。日本が待っているのは、神風とワクチンのみ。――私の予測がとことん外れてほしい。

 「最悪を想定して、次悪に納得し、次善を喜び、最善を祝う」というのが、私の主義だ。しかしこれに対して、「最善を想定して、次善に文句を言い、次悪を怒り、最悪を想定外として現実逃避・責任逃避する」というのが日本社会の現実である。

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