涙ぐましい自助努力、マレーシア人は美しい

 最近、平均1か月2回ほど頻繁にマレーシア国内の取材出張兼休暇に出かけている。とはいってもそもそも、コロナによる国境閉鎖で海外へ出られず、国内しか選択肢がないからだ。いままでは自家用車で出かけていたが、今月からは国内線を使おうとどんどん航空券を買い始めた。

 正確にいうと、キャンセルされた海外出張の航空券の返金がクレジットアカウントに放り込まれ、それを消化していかないと、期限が切れてしまうからだ。国内線航空券を購入してみると、その激安さに驚く。たとえば、クアラルンプールからの税込片道でランカウイまでは約2400円、遠方の場合、東マレーシア(ボルネオ島)のコタキナバルまでならさらに割安感があっての4000~5000円程度。

 ホテルも激安。たとえば、コタキナバルのヒルトンはなんと1泊5000円。信じられないほどの割引率。今や、5~6割引当たり前。7~8割も珍しくない。早割でなく、遅割もある。1か月前に5割引で予約したホテルが出発直前にチェックすると8割になっていたりする。そうすると、いったんキャンセルして再予約すれば、最安値を手に入れる。キャンセルもほぼ1日前まで無料になっているから、最安値シフトが可能だ。

 正直、日本国内の「Go To トラベル」よりも条件がいいのではないだろうか。なぜ日本の官製版よりも、マレーシアの民間版が消費者にとってより有利かというと、市場メカニズムが機能しているからだ。国が補助を出してくれるから、業者の危機感も目減りする。マレーシアは違う。国は基本的に助けてくれないわけだから、民間企業が必死だ。利益がなくても赤字を少しでも埋めればいい、運転資金を稼ぎ出せばいいと。

 「自助・共助・公助」と菅官房長官が打ち出した途端に、抗議が上がるとはさぞかしい信じ難い。自助優先をなくして、怠惰・堕落が増長するのみだ。懸命に自助努力するマレーシア国民を目の当たりにして、感動を覚える。私もできる限り、マレーシア国内で消費し、貢献していきたいと思う。

 コロナで、私のマレーシアに対する愛情が日に日に増すのみだ。

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