マレー半島北部の旅(6)~豪華絢爛なモスク

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 6月4日(土)、アロースター市内観光。とはいっても、名所としてガイドブックに載っているスポットは少ない。小さな街で半日もあれば十分歩いて回れる。街のシンボルとなるのは何といっても、ザヒール・モスク(Masjid Zahir)とアロースター・タワー(Alor Setar Tower)。

ザヒール・モスク

 マレーシアはイスラム教の国であり、どんな地方都市へ行っても、立派なモスクが存在する。ここアロースターも例に漏れず、ザヒール・モスクは立派な建築物である。

 歴史上遠い古代から、人類はまだ貧しい時代だったにもかかわらず、帝王の宮殿と宗教の寺院だけは豪華絢爛な建築物が多く建てられた。言ってみれば、此岸(現世)と彼岸(来世)をそれぞれ司る権力の象徴であるから、それは豪華でなければならなかった。

アロースター・タワーを背景に

 現代になってみると、官庁や官邸は相変わらず立派だが、観光名所になり得る豪華絢爛な寺院はあまり見なくなった。良いか悪いかは別として、それだけ人類は現世重視になったのだ。

 宗教は、信仰の標準化・産業化といえる。宗教が繁盛しなくなっても大きな問題にならないが、信仰がなくなったら、人間は終わりだ。と、私は思う。私自身も「有信仰・無宗教」である。

アロースター・タワー

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