マナーの悪い中国人ニューリッチたち・・・

 きれいな海南島、きれいなホテル、すべて満足だが、一点だけ――。お客さんのマナー問題。

 その一、食べかすをペッペッと卓上に吐き出す習慣。きれいなランチョンマットがあっという間に無残な姿に変身する。さすが地上に吐く人はいなかったが・・・

37447_2卓上にペッペッする習慣は抜けられない

 その二、タンやつばを床かゴミ箱に吐く習慣。最近、床よりもゴミ箱に吐く人が増えた。一応の進化は見られるようになったが、吐き方によって標的外れた場合、粘液はゴミ箱の外部に命中する。たとえゴミ箱の中に見事に命中しても、菌はやはり空中を舞うだろうし、清掃員もかわいそうだ。

 その三、大きな声でしゃべり、叫ぶ習慣。世の中に、「知る権利」はあるが、「知らない権利」もあるはずだ。話の内容は直径30メートル範囲内なら間違いなく聞き取れる。あまり近くいると鼓膜の振動も実感できる。

 その四、他人の目を気にしない習慣。昨日のブログで「バルコニーでの洗濯物干し禁止」を書いたが、改善はされていない。それよりも、物干し掛けのないバルコニーで、ホテル備え付けの傘と椅子をうまく組み合わせ、立派な物干し掛けを仕上げる創意工夫が見られた。

37447_3それでもバルコニーを洗濯物干し場に!かなりの創意工夫

 その五、服務員に「おい、おい」ときつい命令調を使う習慣。南国の太陽の下で汗だくで働いている服務員には、客が笑顔一つなければ、「謝謝」の一言もない。私は「暑いなかで、すみませんね」と一言をかけると、冷たい表情の服務員は一瞬にして「不客気(どういたしまして)」と笑顔を浮かべた。お客さんに粗末に扱われていると、服務員は当然お客さんのことも粗末に扱ってしまうだろう。中国のサービス業の悪さは、客の質の悪さにも関係する。

 私は、決してここで一部の中国人のマナーの悪さを嘲笑、非難しているわけではない。むしろ、彼たちの無知は同情に値すると思う。3年ほど前、私が某中国大手弁護士事務所のパートナー弁護士と一緒に日本に行ったときのことだ。その弁護士をある高級和食店に案内すると、案の定魚の骨をペッペッと音を立てながら卓上に吐き出す。女将さんは素手で食べかすを片付けながら、恐れ恐れ一枚の皿を差し出す。「恐縮でございますが、こちらをお使いください」。

37447_4リゾート内には、随所ニューリッチの中国人たちが・・・

 一瞬、弁護士は不快な表情をあらわにするが、「○○先生、卓上の食べかすが先生の袖を汚してしまいます。女将さんは、殻入れの皿を持ってまいりました」と私は、とっさにフォローする。「すまんな、いろいろ考えてくれて、服務周到、想的周到!」と弁護士が一転して上機嫌に。

 「服務周到、想的周到」とは、サービスが行き届いているといっているわけで、彼は自分のマナーに問題があったことに気づいたのだろうか。

 「○○先生、卓上に食べかすを出すのがマナー違反です」と、私がその当時はっきりとこの一言を言えたら、彼のためになったはずだ。しかし、相手のメンツを考え、誤魔化した自分の行為をいまでもひどく後悔に思っている。

 海南島のリゾートで、マナーの悪い人たちを見て、なぜかこのエピソードを思い出した。

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