ウクライナ戦争早期終結シナリオ、不敗の戦略

 ウクライナ戦争早期終結の可能性が出てきた――。ロシアはハリコフから撤退し、国民投票をもって、ドネツク、ルガンスク、へルソンとザポロジエの4州におけるロシア支配を固定化し、国境を確定する。

 ロシア国内で徴兵した30万人の兵力は、新規攻撃でなく、支配地域の防衛に投入する。そこでその現状を米国とウクライナが受け入れれば、ウクライナ戦争は終結する。プーチンのこの決定は、9月15日上海協力機構首脳会議で習近平と会談した際の合意(密約)に基づいていると思われる。

 ボールは今、米国にある。これ以上ウクライナが攻撃すれば、ロシアは「国土防衛戦」に転じ、核使用もいささか大義名分を得よう。中国もロシアの手助けがしやすくなる。そこで、バイデンとゼレンスキーの意思が不一致し、ないし対立した場合、どうなるか。それは中国が狙っていた分断にほかならない。

 古来の兵法を脈々と受け継いできた中国の戦略力には改めて脱帽。

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