日本人は中国人から学ぶべきものは3つ

 日本人は中国人から学ぶべきものは3つ――。

 1. 「ベキ論」を語らず、性悪説をベースに、戦略や謀略を立てること

 日本人は正論、理想論を好む。こうであるべきだ、ああするべきだと、まず理想を掲げる。しかし、理想と現実のギャップをいかに埋めるかとなると、リーダーは現場に飲み込まれ、戦略も謀略も立てられずに、右往左往する。意思決定の際も同様に性善説を前提に掲げ、希望的観測が先行して、最悪シナリオを描けずに突撃態勢に入る。

 2. 最適解を求めず、アバウトなところからはじめ、試行錯誤と軌道修正を繰り返すこと

 中国の強みは、ヒューリスティックなところにあって、速やかな軌道修正から蓄積された正確さの積み上げは日本をはるかに凌駕している。状況が刻々と変わる変化の早い現代社会では、熟議とオプティマルの間に必然的な関連性があるとは限らない。しかし、日本人は度々単に当事者の利害関係の調整に終始し、合意の機が熟すまで見せかけの議論を積み上げても何ら意味もない。

 3. 利益を出せない、馬鹿な奴はふるい落とすこと

 「努力」よりも「結果」。「愚というのは、癌よりも怖い。愚は絶対に治らないからだ」。馬雲(ジャック・マー)氏はこう語る。人間には能力差が存在している。しかし、日本社会に深く根ざした「能力差の認知回避現象」それ自体が歴史的文化的社会構造的次元から見れば、必然的帰結である。後進に基準を設定するのは、日本社会・日本型組織の致命傷だ。

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