戦争報道、日本と中国系メディアのここが違う

 ウクライナ戦争について、日本と中国や台湾の報道をみると、大きな違いがあることに気付く。

 日本は「戦争がいかに惨めか」と爆撃を受けた現地の惨状をこれでもかというほど生々しく伝えるのに対して、中国は「戦争はどのように進行しているのか」と、爆弾はどこに落とされたのか、どのような爆弾が使われたか、なぜそう攻撃したかと延々と軍事評論に徹する。

中国CCTV中文国際

 ちなみに、中国や台湾メディアの場合、戦場の惨状を伝える番組は、あまり見られない。この違いを単純化してしまうと、「感性」「理性」の違いにほかならない。決して善悪次元で論じることはできない。思考回路のデフォルト設定が違うとしか言いようがない。

 日本のメディアにも、たまに軍事評論家が登場するが、専門的な議論はほとんど行われない。それはその評論家の質が低いというわけではない。大方の日本人視聴者が興味をもたないからだ。昨日、台湾の番組をみたら、ロシア軍がツポレフTu22超音速爆撃機を投入したことに関連して、延々と30分も喋っていたわけだ。お蔭様で、軍事素人の私も大変勉強になった。

 戦争は反対すれば、終結するものではない。戦争に負けた側が決まることが戦争終結の前提である。

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