なぜ、日銀総裁になりたくないのか?

 雨宮さんは逃げ切った。

 日銀総裁になりたくない雨宮さんの頭がおかしいのか?それとも日本国がおかしいのか?考える必要もなさそうだ。日銀総裁の任期が5年。ということは、日銀は2028年まで持たないのか。

 私の日本国内銀行での円預金は、常に日常当座決済用で、残高200万円を上限にしている。紙くずになったら困るからだ。藤巻健史さんは「日本円紙くず化論」で、「狼少年」とされてきたが、必ず狼はやってくる。日銀総裁になりたくない人もいるくらいだから、わかるだろう。日銀総裁候補者の頭が一般人よりはるかに良いに決まっているだろう。

 A、B、C三人の対話――。

 A「1ドルが500円になったらどうする?」
 B「絶対にならない。賭けようか?」
 C「そうなっても、準備ができているから怖くない」

 AとCは、危機管理の世界で、Bは仮説否定の世界だ。リスク管理とは、仮説に基づく自己防衛であるから、仮説そのものを否定したり、賭けの材料にしたら、何の意味もなくなる。Bの心理は、基本的に、あってほしくないことを仮説からでも排除したいものだ。一種のバイアスだ。

 「卵は1つの籠に盛るな」という西洋の諺。「狡兎三窟」という中国の成語。――リスク管理の基本中の基本。この籠は絶対に落とすことはないとか、この隠れ穴は絶対に安全だとかそう言い切ることはナンセンス。「安全かどうか」と「危険時の避難術」は全く次元の違う話だ。その本質的相違を理解しない人が日本に多い。それだけに、日本は危ない国だ。

 笑うに笑えない。

 日銀の破綻で円が紙くずになったらどうするという仮説前提の危機管理論を、私が自分のフェイスブックで語っていたら、「いや、そうならないんだよ、あなたは金融のことが分かってないのだ」という金融論(本当に金融論プロかどうかも定かではない)をしつこく仕掛けてくる人。

 土俵が違うので、ボクシングと相撲では試合にならないと言っている。

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