経営コンサルタントが政治家になってはいけない理由

 「立花先生は政治家を目指せ」コールは、ありがたいが、それだけは絶対にあり得ない。

 まず、「政治家にならない」ことは、妻に対する生涯の約束だ。妻いわく「あなたは政治家になったら、寿命が10年縮まる」。私は3652日長く生きたい。

 民主主義下の選挙は「最善を唱える」ことが求められるが、経営コンサルタントの私は「最悪」を語り、「次悪」を政策にするので、票は全く集まらない。当選しても、「不規則発言」の連発で、失脚は時間の問題。

 最後にいうと、私は辻立ちが苦手で、ましてや早朝から駅前で「おはようございます」の挨拶など冗談じゃない。できるわけがない。

 政治家ではないから言えること、言わなければならないことを言うことは、私が社会、国家国民に対する恩返しだ。

 経営コンサルタントの大前研一氏いわく「日本の政治家は目線が低すぎる」(2018年1月5日付東洋経済Online)。日本の政治家の目線が低すぎるのは、彼らを選んだ大衆の目線がもっと低いからだ。

 経営コンサルタントは、企業を変えることに成功し続けると、気が大きくなり、国家を変えようとするようになる。しかし、民主主義下では、必ず惨敗する。大前氏も例外ではない。

 国家運営も企業経営も原理が一緒だが、国家運営の「役員」は「社員」から選ばれるところが企業と違う。独裁政権なら、経営コンサルタントが力を発揮できるかもしれないけれど。

 この点、大前先生が悟ったかどうか。

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