北海道(2)~うなぎ食いに思うこと、日中の相互依存度検証

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 7月25日(土)、昼飲み@羽田空港、午後便で女満別へ向かう。うなぎが美味しかった。原産地を聞いたら、中国だった。今中国は日本産の水産物に処理水問題で輸入規制をかけている。日本は「科学的根拠」があって大丈夫だと言っても、中国はそれを信用していないらしい。

 『驚愕実態!処理水放出にイチャモンつける中韓から日本海に押し寄せる〝汚染水〟』(2023年7月31日付zakzak)。日本の論理は幼稚園児論理――。「お前もやっていることだから、こっちもやったっていいじゃないか」

 この論理では「悪いこと」を自ら認めるも同然。であれば、日本は中韓に対して対等の経済制裁を行えばいい。なぜしないのか?日本国民の健康と安全がどうでもいいのか?麻生太郎氏が処理水を飲んだって全く問題ないとパフォーマンスを見せたのも最悪。だったら、世界の水資源が欠乏する中、日本人全員がそれを飲めばいい、という論理が成立する。安全なら、海洋に放出することもそもそも不要。

 汚染水・処理水問題は、まず論理的な文脈を入念に準備してからアクションを起こすべきだろう。日本政府は完全に論理破たん状態に陥っている。しかし、いずれにしても中国産の農水産物に日本は文句を言っていない。少なくとも輸入に規制をかけていない。それは問題なしということだろうか。

 もう1本の記事を紹介しよう。『日本の食品輸出がピンチ、中国が処理水を口実に日本のコメ、菓子にも嫌がらせ』(2023年7月31日付JBpress)。私は早い段階から言っていた。水産品に限らず農産品・食品全般に影響が及ぶだろう。日本と中国、どっちがどっちにより頼っているか、依存度の検証が始まる。

 中国は「日本デカップリング」に乗り出そうとしていた。汚染水・処理水は良い口実を与えた。ダメージを受けた日本の利害関係者は不満に思い、国内分断が進む。これが戦略というものだ。

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