コロナ感染大爆発、中国の成敗と諸外国の損得

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 中国では、「ゼロコロナ」の解除で感染が大爆発中。

● 中国の成敗

 英医療調査会社エアフィニティーは12月29日、コロナ感染者が急増する中国の死者について「2023年4月末までに170万人に達する恐れがある」と警告した。

 170万人死亡、あり得る。アメリカは人口3.4億に対して死者110万、死亡率0.32%。中国は人口14億に対して死者170万、死亡率0.12%。中国の死亡率は、アメリカの3分の1、アメリカより立派ではないか。それはつまり「ゼロコロナ」の功績になろう。

 別の報道によると、12月31日現在、北京の感染率は8割以上。状況をみると、上海も1~2週間以内にそのレベルに達するだろうと考えていい。中国当局のやり方は、どうやら、「第一波」で一気に集団免疫に追い込むやり方ではないかと。瞬時コストは大きくても、中長期的にみて全体コストの削減に有効で、経済性の高いやり方と言える。

 民主主義体制下で取り得ない手法だが、私は評価に値すると思う。

● 諸外国の損得

 春節が目前。国境を開けて中国人観光客を迎え入れるかどうかで諸外国の姿勢が分かれる。欧州や豪州、ASEANは「入れる」派、日米韓台は「入れない」派。

 中国人観光客を入れるかどうか、観光増収と感染拡大リスクの損得比較。少々乱暴だが、4つのパターンに分けよう。

 ① 増収あり+拡大なし(予想外の大勝)
 ② 増収あり+拡大あり(想定内)
 ③ 増収なし+拡大なし(想定内)
 ④ 増収なし+拡大あり(予想外の大敗)

 観光客を入れる国は、基本的にパターン①か②。観光客を入れない国は、パターン③か④。意思決定にあたって、①②③④に対してそれぞれスコアリングして総合判断するわけだ。

 パターン②と③は、想定内のトレードオフだが、問題は①と④の外れで、ギャップが両極端。各国内の状況もあろうが、一般論的な単純計算だと、受け入れた方が得ということになる。

 さあ、どうなろうか。

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