● ナウルの台湾断交、トランプ復帰と台湾・ウクライナ切り捨て
ナウルは1月15日、台湾と断交し、中国と国交樹立すると発表した。ナウルは、経済的利益を優先したと台湾が批判した。台湾・与党民進党系の論客はこう言い放った。「お金が欲しいなら、とっとと中国へ行けば良い。とっとと消えろ。世界3番目の小国、台湾の離島よりも小さい。あんな国は要らん。台湾はこれで(あんな小国に与える)予算削減ができて、かえって良かった」
いささか酸っぱい葡萄心理の発露。だったら、当初から付き合わなければ良かったのではないか。ほかに残っている12か国の国交国にもこんな小国だらけであるから、さっさと台湾から進んで断交したほうが綺麗さっぱりではないか。今までの国々はすべてそうだった。経済的利益が自由・民主主義の価値を凌駕した。日米西側諸国も漏れなくそうだったのではないか。価値観外交は、嘘ではない。ただその価値はイデオロギーではなく、あくまでも経済的利益至上、国益至上である。これは何も間違っていない。
台湾断交はまだまだ続く。オーストラリアの全国紙、オーストラリアン紙が1月19日、南太平洋の島国、ツバルが今後、外交政策を転換して台湾と断交し、中国と国交を結ぶ可能性があると報じた。自由と民主主義の価値観を言っているが、世界は反対の方向を走るのは、なぜ?結局、経済的利益は、全てを凌駕するという冷酷な事実が横たわっている。
世界は、トランプの復帰「もしトラ」(2024年米大統領選)に備え、準備を始めた。
私の予測通り。米国は台湾を見捨てる。ドナルド・トランプ前大統領が、中国からの侵略があった場合、米国は台湾を助けるべきではないと示唆(2024年1月21日付Newsweek)。繰り返してきたように、台湾は米国にとって、守る対象ではなく、取引対象である。トランプ当選後の米国の台湾政策が大きく変われば、台湾と断交する国が続出するだろう。そして、トランプの任期内に、2028年までに中国は台湾を統一するだろう。
中国からの侵略があっても米国は台湾を助けない、というトランプの発言。トランプの支持者には、台湾支持者も多い。いささか困惑するだろうが、トランプの発言に全く矛盾はない。トランプは、純粋な取引に基づき、あくまでも米国の国益を守ると、ブレない指導者だ。氏は他の政治家のように、「自由」や「民主主義」を口にしない。トランプは民主主義の非効率性を嫌悪し、「独裁のできる習近平がうらやましい」といった趣旨の発言もする。氏は戦争をやらない主義なので、軍産複合体に敵視される。彼の「失脚」もそれに由来する。
さらに、ウクライナ。ゼレンスキー大統領がトランプに向けて「ウクライナのキエフにご招待します」と呼びかけた(英テレビが1月21日インタビュー放送)。トランプが大統領に返り咲けば24時間以内に戦争を終わらせられると言っている。それはマジックではない。ゼレンスキーの腐敗・不正蓄財の証拠を開示すると脅せば、ウクライナの領土放棄で戦争を終結させることができよう。台湾も同じだ。トランプは習近平と取引をするだろう。和平統一の可能性が出てくる。
国際問題は戦争ではなく、取引によって解決する。トランプは真の平和メーカーだ。世界の平和を祈念するなら、トランプの復帰を祈念しよう。

● 台湾戦争シミュレーション
台湾戦争のシミュレーションはいろいろある。かなりリアルなものも多い。中国は後日の台湾支配を考えるなら、本島攻撃を控える可能性がある。クリミア型を取り、澎湖や金門、馬祖などの離島を短期間で武力で占領し、台湾海峡を全面掌握する。そこで無血開島を迫る。
アメリカは中国との直接衝突を避け、なお体面を保って引き揚げるには、ベトナム戦争同様、台湾・頼政権に対中和平交渉(降伏)を求めるだろう。離島を取られれば、平和な今と違って「実感・臨場感」をもった台湾人は、異なる選択をするだろう。外国人脱出、サプライチェーンの寸断、経済ストップ、エネルギーのストック不足、これだけの状態に台湾人は耐えられるのか?ただし、例外として、台湾政府が戦時宣告をし、戒厳令を敷き、反政府・統一派の弾圧に踏み切った場合、あるいは中国本土にミサイル攻撃をした場合は、本島開戦もあり得るだろう。
● マレーシアの変質か
「マレー人の投票率が65%。華人の投票率は98%。10年以内にマレーシアは華人国家になる」。マハティール氏が直近の演説でこう語った。1月31日に新国王が即位する。新国王も中華ゆかりで色々これから出てくるだろう。何よりも今のアンワル政権はマレー系のカモフラージュを被った華人政権とも言われている。今後のマレーシアは、どう変わるか?
● AI医師の診療
病気や怪我をした際、病院やクリニックでは医師と患者の間で「医療面接(対話)」と呼ばれる、症状や病歴の聞き取りなどの情報交換が行われる。Googleが開発した新たなAIモデルAMIE(Articulate Medical Intelligence ExplorerAMIE)は医療面接に特化しており、独自の調査では、人間の医師よりもAMIEの方が適切な診断を下すだけでなく、患者に対する対応も優れていたことが報告された。
弁護士だけでなく、いよいよ医師もAIに取って代わられる、という時代になってきた。正確にいうと、一般の医師の淘汰とAIセカンドオピニオンによる人間医師に対する牽制機能だ。診断の正確性もそうだが、医療産業の場合、患者側との著しい情報の非対称性が大きな問題になっている。言ってしまえば、医師が商業目的で過剰な検査や投薬、治療を行うという問題だ。これに対してAIドクターが大きな牽制機能を果たす。
● 陰謀論
羽田空港の衝突事件。案の定、またもや陰謀論らしきものが出回っている。この時代には、陰謀論がほとんど成り立たない。結論から言えば、リスクと期待利益が釣り合わないからだ。陰謀論である以上、基本的に規模が大きく、多くの当事者を巻き込む必要がある。これだけ多くの当事者が絡み、情報が全く洩れないことは極めて難しく、不可能に近い。さらに陰謀の実施によってもたらされる利益は拡散・分散しやすく、特定層や特定当事者に集中しにくいので、うま味が薄れる。




