日本を抜く中国の先端技術、民主主義の失敗

 世界初、中国の無人探査機「嫦娥6号」が月の裏側で土のサンプル採取に成功した。これも、中国が日本の技術を盗んだという人がいるのだろうか?

 中国人技術者の帰国だけでなく、外国人技術者もどんどん中国に移住・就職している。一定の移住資金が支給され、高い給与も約束されるほか、条件によってはそれまでの研究機関との兼任も可能となっている。当初は海外で実績を挙げた中国人や中国出身の研究者が対象だったが、いまでは外国人も対象となった。

 中国に移る日本人研究者もいる。中国の名門、復旦大学の服部素之教授は、日本やアメリカでタンパク質の構造などを研究していたが、「千人計画」に応募して中国にやってきた。大学からは、教授職と、5年間で1億円以上の研究費を提供され、10人の研究員や学生を率いて研究を続けている。

 「日本だと、私の同僚で私より業績がある人でも、研究室をまだ持てないという人がたくさんいます。日本だとほぼ不可能な環境なので、非常に感謝しています。中国では、博士課程での研究経験はとても評価され、給料も高くなります。ですから、みんな積極的に博士課程に進みますし、研究成果を出したいという熱意を持っています。復旦大学の学生は、東京大学の学生とまったく遜色ないどころか、むしろ上ぐらいに私は思っています」(服部さん)(情報ソース:NHK)

 アメリカは理系中国人留学生の受け入れを規制しはじめた。しかし、中国人留学生を遮断しても、外国人はどうするのか?自国民の中国就職の規制?結局、自由民主主義国家が国民の自由、商業の自由を制限し始めると、人権や自由に相反する、自己否定の形になる。切羽詰まると、民主主義の偽装が剥がれるわけだ。米国は相当切羽詰まっている。

 民主主義の失敗だ。少し話がずれるが、トランプに有罪判決が出て、わずか3日間で寄付が3億ドルに上り、支持層が急増した。中国はアメリカに先端半導体の供給を切られても、数年で自前の技術で逆転して世界市場を制覇するだろう。いずれも国家権力の濫用、民主主義の失敗を示唆する事例だ。

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