「本社の強い意思」、戦時の大本営はいまだに健在

 ここ1週間またもやセミナーの連続。昨日は中国人事制度研修シリーズ第8回目の「評価制度」。20名の募集で32名の申込み・・・。会場内の空気が薄い。

95008_2人事制度研修会(2013年2月26日、花園飯店にて)

 この人事制度研修シリーズは全部で日本語クラスと中国語クラスそれぞれ12回ずつあって、1年のコースである。今回は第2期で、第1期よりも受講者が増加傾向にある。特に集中しているのは、「賃金制度」「評価制度」と「解雇」の3クラスだ。

 昨日のテーマ「評価制度」だが、各社に問題が多い。なかに、「日本本社の強い意志と指示で、本社の制度をそのまま中国に導入することになった。適合性がないことが目に見えているが、どうしたらいいのか」といった質問も飛んでくる。

 これは、コンサルタントから答えられる質問ではない。本社の強い意志は何を根拠にしているのか、論理的に議論すれば、最善案が浮上するはずだが、議論の場すらない。これは何もこの会社だけの問題ではない。なぜ、日本企業はここまで非論理的な意思決定体制になっているのか。中国で発生している多くのトラブルは、本社の問題か現地法人の問題かを議論する以前の問題で、その問題とは、議論の場がないことである。

 とても初歩的な問題で、あまりにもひど過ぎるので言葉も出ない。「本社の強い意志と指示」、何だか戦時の大本営を思い出す。これでは、日本は何回敗戦してもおかしくない。情けない。

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