時短命令は「違憲」、都を訴える飲食店は勝てるのか?

 時短命令は「違憲」。非常事態は認められないと主張し、飲食チェーン「グローバルダイニング」(権八等を経営)が東京都を訴えた裁判が5月21日、始まった。

 個人的には、原告側の主張が成立しないと認識している。

 日本国憲法13条の後段に、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定められている。公共の福祉により制約が認められる人権は、経済的自由権も含まれている。

 公共の福祉が毀損する前提で個体の人権が守られるか。それが制約されている。危機的な状況を無視して、飲食店など一部特定層の「人権」を守るうえで、公共の福祉が毀損することを座視していれば、逆に都が「違憲」と訴えられることもあり得るわけだ。

 コロナの拡散は、世界各国の状況およびWHOの発表をみる限り、市民の健康と生命の安全を脅かす重大事件になっていることが明白である。公共の福祉という概念の適用が妥当する。

 キケロはその著作『法について』(De Legibus)において「Salus populi suprema lex est”(人民の健康が最高の法たるべし)と唱えた。公共の健康は統治の主要な論点であった。そうした政治、哲学の源流をたどっても、法源が明晰である。

 この訴訟は、飲食店側が負けるだろうと、私は見ている。

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