4つのシナリオ、今回の緊急事態宣言は最後になるか?

 菅首相は、今回の緊急事態宣言を、「最後の宣言にする」といっている。総理の約束を裏付ける前提条件は、4つある――。

 ① ウイルスが消え、宣言を解除する。
 ② ワクチンが効き、宣言を解除する。
 ③ 宣言を無期限延長し、最後の宣言にする。
 ④ どんな状況でも、宣言を解除する。

 まず、①の可能性はほぼないので、排除する。

 次に、②はあり得るか。「期限の8月末までにワクチン接種率を7割ほどに引き上げ、集団免疫を得る」という「前提の前提」があって、総理はこれに頼っているようだ。しかし、昨今欧米諸国のデータをみると、デルタ株には現在のワクチンが効いていないことが明らかになった。すると、②の可能性も薄れる。

 さらに、③の可能性はどうだろう。ウイルスも消えなければ、ワクチンも効かない。状況は好転せず、あるいはさらに悪化する。すると、宣言を再延長する方法がある。今後も状況次第で再々延長すればいい。「最後の宣言」という約束を果たすためにも、無期限延長する。可能性としてまったくないわけではない。

 最後に、④のシナリオ。何が何でも、8月末に宣言解除する。しかし、「最後の宣言」という約束がある以上、今後はどんなに酷い状況になっても、二度と緊急事態宣言ができなくなる。いや、例外もある。秋の選挙で選ばれた新政権(野党による交代かも)は菅政権の政策を否定すれば、緊急事態宣言を再度発令することも可能だろう。あるいは、ロックダウンを可能にする立法に取り組むのも一案。

 現実的に、上記④のシナリオはいちばん可能性があるのではないだろうか。いずれにしても、日本がぼろぼろになることは間違いない。自己救済に努めよう。

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