オミクロン天然ワクチン?みんなで風邪引いてコロナを終息させよう

 ほとんどのオミクロン株感染者は、風邪を引いた状況で重症者が少ない。一方、感染力が凄まじく倍々に感染者が増えている。そこで、いっそうみんなでオミクロン風邪を引いて集団免疫を得れば、コロナが終息する。つまり、オミクロンを天然ワクチンとする考え方があってもよさそうだ。

 プラス思考であって、1つのシナリオとしても考えられる。ただし、このシナリオには次の3つの制約条件がかかっている――。

 条件その1、次の変異株が生まれる前に、早い段階で集団免疫を得ること。すると、感染防止ではなく、逆に感染スピードを上げる必要が出てくる。それを決断できる政治家がいるのだろうか。さらに国民の意思、大多数の国民が進んでオミクロン風邪を引こうとする姿勢が必要だ。それができるのか?

 条件その2、上記クリアした場合、感染者の激増・爆増に耐え得る医療体制が整っていること。感染者が指数関数的に増えれば、重症者の絶対数も増える。国民の数パーセントか数割が同時に風邪を引いた場面を想像すれば分かりやすい。

 条件その3、オミクロン株が本当に風邪であって、再感染悪化や後遺症など他のリスクがないこと。さらに他国の状況から悪影響を受けないこと。

 日本の場合、7~8割の集団免疫ならば、最低でも8000万人がオミクロン風邪を引く必要がある。平均して1日10万人の感染者が出た場合、800日つまり2年以上かかる。それでは話にならない。では1日50万人の感染者でどう?160日、それでも半年はかかる。辛うじて半年でコロナが終息できれば、それはそれでいいかもしれない。

 では、1日50万人が風邪を引いて医療体制は間に合うだろうか。私には分からない。こうしてみると、みんなで風邪引いてコロナを終息させるシナリオの実現は、そう簡単ではなさそうだ。

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