財政は火の車、マレーシアは税大国へ変身するか?

 キャピタルゲイン課税(不動産・金融取引)も遺産(相続)税も検討中だという。さぞかし目を疑うニュース(12月24日付け)。マレーシアはついに税大国へ変身するのか。

2021年12月24日付マレーシア南洋商報

 要するに、コロナでマレーシアの財政は火の車。すでに発表された海外所得の送金課税も、移住ビザMM2Hの資産所得要件の大幅引き上げも、すべてこれに該当するだろう。

 取れる税金は、とことん取っていくしかない。消費税の復活も当然選択肢ではあるが、ただこれは国民全体に影響が及び、コロナで貧困化が進むなか、反発が強いことは容易に想像できる。

 であれば、富裕層から取る。ほかに選択肢はあるまい。しかし、数税の併課によるマイナス波及効果も考えなければならない。とりわけ富裕層誘致には得策ではない。資本流出のリスクもあるだろう。

 「成長と分配」で苦肉の策を強いられているのは、日本もマレーシアも同じ。どうかまずは「成長」のほうに全力取り組まないと、国がボロボロになってしまう。

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