自称保守の大衆、その正体とは?

 いわゆる「保守」のなかに、本当に馬鹿が多い。

 法輪功はプロパガンダで、中国はコロナで4億人死んだと言っている。それを信じる人がいて、私は、「火葬場が4億人の遺体を3年で焼くなら、1日36万人も焼かなければならない。無理だろう」といったら、「埋めたでしょう、事故を起こした高速鉄道を乗客ごと埋めたそうですから」と反論してきた。

 まず、4億人をどうやって埋めるのか。ナチスがホロコーストで 600 万人のユダヤ人を埋めるのに大変だった。その66倍にあたる4億人を埋めるとなると、作業員とスタッフは何人必要?誰一人も情報を漏らさない方法は?遺体運搬車両はどのくらい必要?埋葬の場所は?衛星撮影から逃れる方法は?遺族を全員黙らせる方法は?将来遺骨を掘り起こされない方法は?…など。

 次に、列車事故の話。列車を埋めたのは事故原因隠蔽のためとされていて、遺体を埋めるためではない。「乗客ごと埋めた」根拠はどこにあるのか?中国政府は事故の犠牲者1人の遺族に対し50万元の賠償金を支払っている。そこで遺体を埋める理由は?中国の列車はすべて実名乗車、埋めても無駄ではないか?しかも、2011年7月26日には一度埋められた車両が再び掘り出され搬送された。遺体はどこへ消えたのか?…など。

 馬鹿なことを平気で言える勇気はすごい。保守の馬鹿たちは、とにかく中国が「悪」だということで、何が何でも「悪」。非論理的でも、馬鹿丸出しでも、何だっていい

 別件で、海外で働くことを、「日本を見捨てる」という自称保守の人がいる。それが「日本を見捨てる」というなら、駐在員から、現地就職者、海外経営者、海外移住者まで、世界に住む135万人の在外邦人はみんな「日本を見捨てた」ことになるのか?これも全く無思考的かつ無責任な言説である。

 だから、言っている。いわゆる自称保守のなかに、あまりにもレベルの低い人がうようよしている。保守とは何かすらわかっていない。悲しい限りだ。保守と名乗るグループをみても、符号的な叫び声で傷の舐め合いをしているだけの投稿やコメントが多い。いや、ほとんどだ。

 そういった「偽保守」「似非保守」は愛国ではない、紛れもなく害国だ。この人たちは単に自分の不幸の責任を転嫁し、ガス抜き代わりに「保守」の名を濫用しているだけ。愛国とは、国が置かれた杜撰な現状をはっきり認識し、問題の根源をえぐり出し、痛みに耐えながらも、現状打開のための治療や改革を施すことだ。

 敵は罵るだけでは、倒れない。自己陶酔は麻薬にすぎない。

 そういう人たちを煽って、いわゆる「保守ビジネス」が成り立つのも、納得する。左には花畑、右には馬鹿。意外と左右が共通していて、バランスがいい。

 名指しは避けるが、保守を名乗ったいかにも識者らしき人物の中にも、名言を捏造したり無責任な発言をしたり最後の最後まで誤魔化して逃げたりする者がいる。

 そしてもう1つ、気がついたことだが、最近の自称保守たちは、やたら、「差別」やら「ヘイト」やら「権利」やら何よりも富裕層への妬みや恨みを燃やし、左派左翼とどう違うのって感じだ。本来なら、この人たちはリベラルの最先端を走り、革命の先陣を切って、資本家階級や権力者をどんどんギロチンにかける存在だったのである。

 アメリカは最近、民主党と共和党が位置変えしたのと同じだ。彼たちの正体は保守の符号を革命のスローガンにすり替えた本物左翼である。保守ではない。保守の名を担いだ単なるルサンチマンの愚民大衆に過ぎない。

 この人たちに必要なのは、ガス抜き、遠吠え、傷の舐め合い、そして生計に欠かせない、中国サプライチェーンにかかった安物商品だ。

 私が繰り返し指摘してきたが、もはや右も左もない。保守もリベラルもない。あるのは賢と愚、事実認識できる者とできない者、人格者と非人格者だけ。保守やら何やら、政治的指向やイデオロギーレベルにほど遠く、単なる恥部を隠すためのイチジクの葉に過ぎない。

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