飼い犬と野良犬の関係、日本はどっちになるか

 中国が民主制国家になったら、米中は友好関係を築けるのか?答えは、「NO」。米中の戦いは、決して国家制度としての民主と独裁の戦いではない。世界覇権(独裁権)を争う戦いだ。

 しかし、米国にとっては、中国が民主制国家になったほうが、自国覇権の維持と拡大に有利だ。とりわけ中国に大統領選挙制度が出来上がれば、米国には親米政権の擁立に道が開けるからだ。米国が狙っているのは、中国国民の民主や自由ではなく、米国の飼い犬で準植民地国家の成立なのだ。日本や韓国、台湾のようにだ。

 米国にとっては、中国の独裁支配制では政権浸透が困難であり、親米勢力の育成と機能がほぼ不可能だからだ。仮説として中国が民主化となり、親米政権ができたとしよう。そうすると、日本は一気に存在意義がなくなり、切り捨てられるだろう。だから、日本にとっては、中国の民主化と親米政権の成立は国益にならない。

 米中の争いがいつまでも存続し、日本はシンガポールのように中立モードに切り替えた方が、もっとも理想的だ。どうせ犬だったら、弱い飼い犬よりも、強い野良犬のほうがましだ。ただ、今の状況ではそれが無理だ。

 日本は米国の飼い犬だが、米国が中国に負け、第一列島線をギブアップした時点で、日本は単なる弱い野良犬に転落する。その時になって、中国の飼い犬へ変身しようとも、まさに踏んだり蹴ったりだ。北朝鮮は強い野良犬だ。それがトランプまで金正恩を尊敬する理由でもあった。

 民主主義など妄信するな。米国西側諸国における民主主義の弊害が日に日に増してきた。この時代に教育水準も平均民度も高くない14億人の中国に西側流の民主主義制度を導入したら、それこそ国家が大分裂になる。その隙で米国が乗り込んで中国大陸を制覇すれば、ロシアが自壊し、米国は世界独裁者の座に上り詰める。

 世界が特定のパワーに独裁されないためにも、米中の「共存共栄」と相互牽制がもっとも理想的だ。A or Bではダメで、A and Bだ。

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